いわき市議会 > 2006-12-11 >
12月11日-02号

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  1. いわき市議会 2006-12-11
    12月11日-02号


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    平成18年 12月 定例会           平成18年12月11日(月曜日)議事日程 第2号 平成18年12月11日(月曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する質問        ------------------本日の会議に付した事件         〔議事日程第2号記載事件のとおり〕        ------------------出席議員(40名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     13番  岩井孝治君      14番  根本 茂君     15番  木田孝司君      16番  酒井光一郎君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  塩田美枝子君     20番  安部泰男君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  古市三久君      24番  樫村 弘君     25番  蛭田 克君      26番  遊佐勝美君     27番  矢吹貢一君      28番  阿部 廣君     29番  諸橋義隆君      30番  若松昭雄君     31番  大間守光君      32番  佐久間 均君     33番  猪狩勝省君      34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君      36番  吉田正登君     37番  藁谷利男君      38番  石井敏郎君     39番  遠藤重政君      40番  永山哲朗君欠席議員(なし)        ------------------説明のため出席した者 市長         櫛田一男君   助役         村田文雄君 助役         高津達男君   収入役        飯本丈夫君 教育委員会委員長   馬目順一君   教育長        砂子田敦博君 代表監査委員     駒木根登志男君 選挙管理委員会委員長 草野一男君 農業委員会会長    草野弘嗣君   総務部長       猪狩正利君 企画調整部長     鈴木英司君   財政部長       陸川克己君 市民生活部長     荒川喜一君   市立病院部長     鈴木正一君 環境部長       上遠野洋一君  保健福祉部長     仲野治郎君 農林水産部長     高木直昭君   商工観光部長     若松勇四郎君 土木部長       高島信夫君   都市建設部長     佐藤 廣君 下水道部長      佐々木 仁君  消防長        木村 清君 教育部長       山田 満君   水道事業管理者職務代理者水道局長                               藍原克美君 監査委員事務局長   渡邊義典君   農業委員会事務局長  坂本公男君 参事(兼)総務課長   新妻秀次君   秘書課長       増子裕昭君       ------------------事務局職員出席者 事務局長       上遠野直人君  次長(兼)総務課長   千葉和夫君 参事(兼)議事調査課長 箱崎紀雄君   議事調査課主幹(兼)課長補佐                               太 清光君 議事係長       遠藤義道君   調査係長       齊藤 学君 主査         千葉恭子君   主査         加藤高明君 主査         早水孝太郎君  事務主任       矢内邦彦君           ------------            午前10時00分 開議 ○議長(藁谷利男君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。        ------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 △根本茂君質問 ○議長(藁谷利男君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。14番根本茂君。          〔14番根本 茂君第二演壇に登壇〕 ◆14番(根本茂君) (拍手)14番志政会の根本茂であります。 12月に入りますと1年の過ぎることの何と早いものか、年のせいか痛感をいたしております。この時期を師走といいますが、語源によると、師匠である僧侶がお経をあげるために東奔西走する月と、平安時代末期に説明されております。現在は中小企業の社長が金策に走る、そんな時期ではないかなと感じます。ことしの県内では11月末現在において既に昨年を上回る倒産件数を数えており、企業においては厳しい年の瀬なのではないのかと再確認するところであります。 地方行政においても三位一体の改革等により、歳入の確保が厳しい時代ともなっており、行政も市民も厳しい時代を迎えていると考えるところであります。国も地方行政も財政破綻を危惧する時代でありながら、私個人としましては、当たるはずもない年末ジャンボにささやかな夢を託し、この厳しさを感じながら、以下通告順に従い質問をいたします。 初めの質問は、いわき金成公園整備事業についてでありますが、我が会派より、石井副会長がこの件について昨年の12月に質問をしております。そこで、その後の経過を踏まえて質問いたします。 いわき金成公園は、昨年12月の市議会定例会において市当局より、一連の法手続が完了したことから、里山的な公園として整備するとの基本方針に基づき、区域内にある円後池の集水域を含め未買収地の用地取得を早期に進め、市民と行政の協働による整備手法や管理の新しい方法等を取り入れながら、里山的な公園の整備を計画的に進めるとの考えが示されたところであり、それから1年になりますが、今般、未買収地の大口地権者である株式会社フジサワとの用地買収交渉がまとまり、今定例会に、平成8年の土地開発公社による先行取得用地の買い戻しと合わせ、財産取得に係る議案が提案されているものであります。 当該用地は、平成8年5月に土地開発公社が旧サイクルパーク建設用地として先行取得して以来、競輪場の移転計画の凍結・見直し、新たな土地利用の検討など10年余りの歳月を経て現在に至りました。 この間、議会においてはその都度議論が交わされてきたところであります。 そこで、いわき金成公園の用地取得に関して何点か質問させていただきます。 まず、1点目は、今回取得する用地のうち、平成8年に土地開発公社が先行取得した用地の買い戻しの概要についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 市が買い戻す用地は、平成8年5月に市土地開発公社が旧サイクルパーク建設事業用地として先行取得した山林・原野などの用地約54.7ヘクタールで、その費用は約15億5,944万円となるものであります。 ◆14番(根本茂君) 今、買い戻しに要する費用は約15億5,944万円とのことでありますが、その内訳についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 買い戻し費用の内訳につきましては、市土地開発公社が先行取得した用地費約12億9,693万円、先行取得から市が買い戻すまでの公社借入金支払利息約2億2,360万円、公社事務費約3,891万円となっております。 ◆14番(根本茂君) それでは、株式会社フジサワが所有する未買収地の買収に当たっての内容はどのようなものかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 株式会社フジサワから取得する未買収地は、平成8年当時、農地法に基づく農地転用問題から取得できなかった田・畑の約9.4ヘクタール、さらに、昨年6月の行政計画において公園区域として追加した、主に山林約7.7ヘクタールの合計約17.1ヘクタールとなり、その費用は約5億1,000万円となるものであります。 ◆14番(根本茂君) 今回の用地取得に当たっては、平成8年の先行取得から約10年が経過しておりまして、その間、市内の不動産価格は下落していると認識しているところでありますが、今回取得する地目別単価について、平成8年の基本協定単価と比較してどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 平成8年の基本協定単価と新たな買収単価を各地目ごとに比較申し上げますと、1平方メートル当たりの単価は、田1万6,400円が5,450円に、畑1万4,000円が4,900円に、山林1,850円が755円に、原野1万2,600円が755円となるものであります。 ◆14番(根本茂君) ただいまお聞きしました新しい買収単価は、平成8年に比べまして大きく下落していますが、平成8年に締結しました基本協定の取り扱いはどのようになされたのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 平成8年2月に株式会社フジサワと市が締結した基本協定の取り扱いにつきましては、協定締結後10年余の経過において社会経済情勢が変化するとともに、土地価格の下落傾向が続いたことから、同協定第3の売買価格について、同協定第7の協定事項に関し変更が生じた場合などその都度協議の上決定するとした事項に基づき、協議を重ねてきたものであります。その結果、未買収地の各地目ごとの買収単価の変更について株式会社フジサワとの合意形成が図られたことから、去る11月7日付で平成8年の基本協定書の一部を改正する協定書を締結したところであります。 ◆14番(根本茂君) 今回の土地開発公社所有地の買い戻し及び株式会社フジサワの未買収地取得に当たって、土地取得基金を活用した理由についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 市土地開発公社からの買い戻し及び株式会社フジサワ所有の未買収地の取得総額は約20億7,000万円となることから、用地取得の円滑化と財政負担の平準化を図るため、公共用に供する土地等の取得を目的とした土地取得基金を活用することとしたものであります。 ◆14番(根本茂君) それでは、土地取得基金で買収する場合、基金の償還が発生することになると思いますが、どのように対応するのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 土地取得基金の活用に当たりましては、原則として3年以内に運用額と運用利子分を合わせて一般会計で買い戻すことになりますが、公園整備が段階的、長期的になることなどを考慮し、市総合計画実施計画や中期財政計画と調整を図りながら対応していく考えであります。 ◆14番(根本茂君) それでは、一般地権者の所有地買収の進め方についてお聞きしますが、土地開発公社株式会社フジサワ以外の一般地権者の未買収地の買収は、今後どのように進められるのかお伺いいたします。
    都市建設部長(佐藤廣君) 一般地権者につきましては、株式会社フジサワとの用地売買に関する仮契約が締結されたことにより、去る11月下旬から、小名浜金成、林城、岩出及び常磐三沢町の各地区において、事業概要、買収単価及びスケジュール等について、逐次、地元説明会を開催してきたところでございます。今後におきましても、引き続き各地区ごとの地元説明会を開催しながら、来年度の用地売買契約の締結に向けて、具体的な契約事務等も含めた交渉を進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 進め方は今お聞きしましたが、一般地権者の未買収地の買い取り単価がどのようになっているのかもお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 一般地権者の未買収地の買収単価は、去る11月7日付で株式会社フジサワと市が締結した平成8年の基本協定書の一部を改正する協定書の各地目ごとの変更買収単価と同額となるものであります。 ◆14番(根本茂君) 単価はわかりましたが、続いて一般地権者の買収の総額、これは幾らになるのかをお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 一般地権者の未買収地の買収総額は、約5億1,800万円を見込んでおります。 ◆14番(根本茂君) いろいろ聞いてまいりましたが、今議会に上程されております財産取得の案件は、平成8年、いわき市土地開発公社が先行取得した用地の買い戻しと、公園区域内の未買収地の一部を買収するものでありますが、いわき市土地開発公社が先行取得した用地の買い戻しについては、事業の長期化による金利負担が2億円を超えており、買い戻しを延期した場合には将来さらに多くの金利負担を強いられることになります。今回、未買収地の取得とあわせて、買い戻すことが必要ではないかと私個人は考えるところでありますが、今後、公園整備を進めるに当たりましては、本市の厳しい財政状況を踏まえまして、中・長期的な財政状況を考慮しながら、必要最小限度の施設整備を長期的な視点に立ち、段階的な整備を進めることが極めて重要ではないかと考えます。 そのためには、これまで以上に市民参加による公園整備や管理運営の仕組みを構築することが重要であり、金成公園が多くの市民に親しまれ、次の世代から喜ばれるような財産として利活用されますことを強く要望して次の質問に移ります。 大きな2番目の質問は、下水道使用料の改定について質問をいたします。 下水道施設の役割は、第一は雨水を排除し浸水を防ぐこと。第二に生活環境を改善すること。第三に河川、海などの公共用水域の水質を保全することであり、現在の市民生活において大きな役割を果たしていることは広く認識されているところであります。 このことから、今議会において市長より報告がありましたいわき市総合生活排水方針の策定につきましては、大いに評価されるものであると考えており、引き続き下水道施設、合併処理浄化槽農業集落排水施設の整備を進めるなど、平成19年度から本方針に基づく施策を推進することにより、本市における生活の基盤水準が今後さらに高まるものと確信するところであります。 したがいまして、私は下水道施設の整備促進についても支持する考えを持っておりますが、その一方で、市民が負担することとなる下水道使用料につきましては、公正で適正な設定を強く求めているものであります。今期定例会には、この下水道使用料において、平均改定率が16.23%になる値上げを主な内容とする下水道条例の改定案が、4年ぶりに議案として提案されたところでありますが、景気の動向に好転の動きがなかなか見受けられないという状況下において、今回の料金改定が真にやむを得ないものであるのかどうか、質問を通しまして明らかにしたいと考えております。 それでは、以下、質問に入りたいと思います。 それでは、下水道使用料改定に当たり、初めに下水道使用料はどのような経費に使われているものなのか、基本的な考え方をお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 下水道事業につきましては、原則として、雨水の処理にかかる経費は公費で負担し、汚水の処理にかかる経費については使用者が負担するものとなっております。このことから、施設の維持管理費と資本費、いわゆる建設費のおおむね3分の2に相当する市債の元利償還金の、汚水の処理にかかる経費については、下水道使用者からの使用料で全額賄うことが原則となっております。 ◆14番(根本茂君) ただいまの答弁の中にも、下水道使用料は、維持管理費と建設費のおおむね3分の2に相当する市債の元利償還金である資本費に充てるものである。本来、その全額が下水道使用料で賄われるべきものであるとの答弁でありましたが、それでは、これまで本来あるべき使用料に向けて改定を行ってきた経緯について、その内容をお示しいただきたいと思います。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 下水道使用料は、昭和45年1月に当初の設定を行い、下水道事業の健全経営のため、これまで6回の改定を行ってまいりました。その内容につきましては、昭和54年の第1回の改定で維持管理費への使用料算入率を50%とし、昭和59年の第2回の改定では70%、昭和63年の第3回の改定により100%と設定し、現在に至っております。また、平成4年の第4回の改定では資本費への使用料算入率を15%とし、平成8年の第5回の改定では20%、平成15年の第6回の改定により30%と設定してきたところであります。 ◆14番(根本茂君) 下水道使用料の収入状況はどのようになっているのかお伺いします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 下水道使用料の収入状況を過去3カ年の決算額で申し上げますと、平成15年度21億5,158万5,000円、平成16年度22億2,722万8,000円、平成17年度22億7,798万9,000円となっております。 ◆14番(根本茂君) そうしますと、現在、年間約22億円以上の使用料が維持管理費と資本費に充てられるということになるんだと思いますが、支出の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 平成17年度決算額で申し上げますと、汚水の処理にかかる経費は46億1,395万8,000円で、このうち使用料でまかなった経費は22億7,798万9,000円となっております。 ◆14番(根本茂君) ただいまの答弁をお聞きしますと、使用料と支出との差し引きで大きな不足額が生じることになりますが、その不足額は幾らになるのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 使用料の不足額は23億3,596万9,000円であり、これにつきましては、一般会計からの繰入金を充てている現状であります。 ◆14番(根本茂君) ただいまの答弁によりますと、本来、下水道使用料で賄うべき費用は、平成17年度決算額で23億円不足しており、一般会計からの繰入金により使用料の不足分が補われてきているところだということでありますが、今回の下水道使用料の改定に当たり、市当局に経営努力が望まれるところではないかと考えるところであります。 そこで、下水道使用料の改定根拠となる下水道事業財政計画においては、どのような経費削減策を進めようと考えているのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 経費削減策といたしましては、建設工事におけるコスト縮減を図るとともに、維持管理費においては、徹底した予防保全策を講じることによる施設の延命化を図ることとし、4年間で約3億円を縮減することといたしました。 ◆14番(根本茂君) 経費の削減策には、建設費の削減、また維持管理費の形とかいろいろあるかと思います。考え方によりますとまだまだ削減する方法はさまざまな形があるのではないかなと考えていますので、この辺につきましては鋭意努力をされるように要望申し上げます。 それでは、次期下水道事業財政計画におけます収入の増収策はあるのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) さらなる収入の確保策といたしましては、未接続世帯の解消に向けて、これまで以上に、水洗化促進のための体制をより強化することなどにより増収を図ることとしております。 ◆14番(根本茂君) 今回のこの改定に当たりましても、これから進める中で、経費の削減策をどうとっていくか。また、未接続であるものの接続をどのように進めることによって増収を図るかと、この形が大事なところになってくるんではないかなと思っております。 それでは、そうしますと、今後、収入の増を図るとともに経費の削減を図っていくものの、収入不足が生じたため下水道使用料を改定するという結論になるんではないのかなと思いますが、その前に、4年間の下水道事業財政計画における収支額についてお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 4年間の合計額で申し上げますと、下水道使用料収入は96億4,319万7,000円と見込んでおります。これに対して下水道使用料の対象となる支出見込み額は、112億5,930万9,000円と見込んでおります。 ◆14番(根本茂君) いろいろ聞いてまいりましたが、これまでの内容を総括しますと、現行の下水道使用料では、一般会計からの繰入金が増大してくることが余儀なくされてまいりまして、健全経営からかけ離れた事業になってしまうと理解してよいかと考えます。 現在の下水道事業を見た場合には、ある一定程度の一般会計からの繰入金はやむを得ないと思われますが、今後の本市の財政状況を踏まえますと、繰入金がこのまま増額し続けることは好ましくないと考えるところであります。 したがいまして、下水道利用者への負担増を求めざるを得ない状況となるわけでしょうが、今回の下水道使用料改定に当たっての基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 下水道使用料改定の基本方針につきましては、国の指導である1カ月20立方メートル当たり3,000円という最低使用料を今後2回の改定で対応すること。経費の縮減と使用料の増収策により改定幅を圧縮すること。さらに、他の中核市や県内他市との均衡に配慮することなどから、資本費への使用料算入率を35%とした平均改定率16.23%の改定により、収入不足分の約16億円を確保し、下水道財政の健全化に努めることといたしました。 ◆14番(根本茂君) ただいまの答弁で、下水道使用料改定についての基本的な考え方については理解せざるを得ない状況であると考えますが、初めに申し上げましたとおり、市民の負担増は免れないところであります。市当局としては、市民に対してどのような方法で市民に理解を得ていくのか、PR等の方法についてお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 市民へのPR方法といたしましては、まず、広報いわきや市のホームページへの掲載により、広く周知するとともに、下水道使用者に対しましては、水道局と歩調を合わせながらチラシを配布するなど、戸別の周知を図ってまいりたいと考えております。また、事業所のうち、特に1カ月当たり300立方メートル以上を排出する、いわゆる大口事業所に対しましては、使用料が多額であることから、できるだけ早く周知したいと考えており、1月中には直接お知らせを送付したいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 私、質問の当初に申し上げたとおり、下水道は、浸水の防除を初め、市民の生活環境の改善や公共用水域の水質保全など、重要な役割を担っている都市施設であります。それだけに、市民生活に与える影響も大きく、都市型浸水への対応、下水道施設の改善・更新など、さまざまな課題に今後も適切に対応しなければならないのが実情ではないかと思っております。そのためにも、汚水処理の経費、いわゆる私費負担分に対する一般財源への依存体質の改善や、平成17年度末における約690億円もの莫大なる起債、いわゆる借金を返済していかなければなりません。このような観点から、経営の健全化を進めていく必要があると考えております。 下水道使用料に関して、本市の現状は、改定後の20立方メートル2,734円という額についても、国が指導する20立方メートル3,000円のレベルに今回の改定をもってしても届かない現状にあります。これを市では2回にわたってこのレベルに持っていきたいという考えであると先ほど答弁がありましたが、福島市、郡山市、会津若松市と比較しましても、本市の下水道使用料は高い水準ではないと言えるところであります。 また、一般会計からの繰入金の半額分に相当する年間約20億円程度の金額は、下水道が整備されていない下水道整備区域外に住む方々、実際に下水道の恩恵を受けてない市民を含めた市民全体の税金で、次期財政計画期間中も補っていくということになるわけです。これはやはり税の公平な負担とは言えないわけであります。ここが下水道の大きな問題点ではないかと思うわけでございます。本来の受益者負担の原則からしますと、現状の倍額である約5,000円から6,000円程度の下水道使用料を徴収しなければ、健全なる下水道経営は難しいものと考えております。 したがいまして、私は、今後も段階的に使用料の適正化を図る必要があると思っておるところであります。このようなことから、今回の料金の改定はやむを得ないものと私は考えております。今回策定されたいわき市総合生活排水対策方針には、市民負担の公平性というテーマが掲げられておりますので、私は、今後、その検討の中で、このような下水道使用料の実態を明らかにしていきたいと考えております。合併処理浄化槽、農業集落排水など、他の生活排水処理施設とあわせた費用負担のあるべき将来像を示して、市民の負担を最小限にとどめるべく、市民の十分な理解を得ていただきたいと考えております。 先ほどもお話しておりますが、今いわき市が置かれている中で、病院の問題等におきましても98億円何がしの負債を抱えているということでありますが、下水道においては690億円もの起債を抱えていると。この点を大きく見ていかなければならないと思っております。 以上、私の見解と要望を申し上げまして、下水道使用料の改定に関しましての質問を終え、次の質問に入らせていただきます。 最後の質問になりますが、四倉地区のまちづくり計画等について質問をいたします。 本市の21世紀のまちづくりは、あすのいわきを夢と希望の持てるすばらしいふるさとにするため、新・いわき市総合計画においては、生活者起点、将来世代への責任を基本姿勢として掲げ、豊かな自然環境や多様な産業集積のストック、豊富な観光・レクリエーション資源を生かし、循環を基調とした持続可能なまち、だれもが安全で安心して暮らせるまち、活力に満ち、想像力あふれるまちを目指しているわけですが、新しい時代のまちづくりは、市民と行政とがともに考え、手を携えながら地域の魅力と市民の満足度をより高め、まちに魅力を感じ、生活し、住み続けたいと思うようなまちづくりを進めることが何よりも肝要であると考えております。 本市における住民主体のまちづくりのさきがけといたしましては、市民アンケート調査や地区別懇談会、ポスターセッションなど、市民参加の機会を設け、意見・意向等の集約とその反映に努めながら、都市計画の基本的方針であるいわき市都市計画マスタープランを作成されたと聞いており、その実現に向け、小名浜、勿来及び常磐湯本の3地区においては、自主的なまちづくり市民組織である各市民会議と市がパートナーシップ協定を締結しまして、協働作業により地区まちづくり計画を策定し、現在、市民と行政の協働により、その具現化に向けた取り組みが推進されていると伺っております。 私は、平成15年12月定例会において、地区まちづくり計画や地域づくり構想など、パートナーシップによるまちづくりについて質問いたしましたが、その後、四倉地区においても、四倉地区の活性化と人と心が触れ合うまちづくりを推進することを目的として、平成16年11月に四倉ふれあい市民会議が設立され、にぎわいとふれあい、笑顔とやさしさが交差する魅力あるまちよつくらに向けてさまざまな事業を展開してきたところであり、現在は、地区のグランドデザイン作成に向けた取り組みも進めていると伺っております。 そこで、四倉地区のまちづくり計画等について何点か質問させていただきます。 まず、1点目は、四倉地区まちづくり計画策定に向けた、四倉ふれあい市民会議の活動状況についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 四倉ふれあい市民会議では、まちづくりの基本コンセプトを、にぎわいとふれあい、笑顔とやさしさが交差する魅力あるまちよつくらと定め、まちづくり委員会が中心となって、グランドデザインの構築と地区まちづくり計画策定に向け、ワークショップや市民アンケート調査を実施し、市民意見の収集に努めるとともに、四倉地区全体を4つにゾーニングし、まち歩きや勉強会等を重ねながら、目指すべきまちづくりの方向性等の検討、さらにはゾーンごとの分科会や全体会議を開催し、平成19年度のグランドデザイン作成に向け検討を進めているところであります。 ◆14番(根本茂君) 今、部長からも御答弁いただきましたが、四倉地区のふれあい市民会議においては、毎日のように分科会を開きながら、自分たちのまちづくりに対しての思いを込めながら会議を進めているところであります。 そういった観点から、次の質問に入りますが、先ほども申し上げましたが、小名浜、勿来、そして常磐の3地区においては、市とパートナーシップ協定を結んでいるということですが、四倉ふれあい市民会議とはいつごろパートナーシップ協定を締結するのかお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 市といたしましては、四倉ふれあい市民会議が、これまでの活動を通して地域に認知された自立的な活動を継続できる団体であることから、本年度末までにパートナーシップ協定を締結することで協議を進めているところであります。 ◆14番(根本茂君) 本年度末に締結をしていただける。これはすばらしい形の答弁であります。感謝申し上げます。これからも進めていただけるようにお願いしたいところであります。 それでは次の、パートナーシップ協定を進めるに当たりましては、市では、四倉地区まちづくり計画のグランドデザイン作成について、どのような支援を行っていくのかお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 四倉ふれあい市民会議では、平成19年度に市民提案としてのグランドデザインを作成することとしておりますことから、市はこれまでの意見交換等に加え、まちづくり専門家やコーディネーターを派遣するとともに、市民会議が主催するワークショップや勉強会等に参画し、まちづくり情報の提供を行うなど、市民会議の自主的な活動を側面から支援してまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 行政とともに、専門家やコーディネーターを招いてこれから進めるということですが、四倉地区のまちづくり計画全体をいつ策定する形になるのかお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 市といたしましては、平成19年度に市民会議が作成するグランドデザインの市民提案を受け、市民会議との意見交換や庁内の地区まちづくり計画策定行政部会等において調整を図りながら、平成20年度を目途に四倉地区まちづくり計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 平成20年度に策定するということですが、私が住んでいるこの四倉地区というのは、山があって海があって里があってまちがあってと、特色のあるまちを形成しております。地区まちづくり計画を策定するに当たりましては、どの地域を対象として考えているのかお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 四倉ふれあい市民会議では、特色ある各地域の一体的なまちづくりの観点から、地区全体を対象としてグランドデザインを作成することとし、地区を、海、山、里、まちの4つの倉にゾーニングして検討を進めております。 市といたしましても、市民提案であるグランドデザインを尊重し、市街地の再生整備を初め、地域固有の資源や特色を生かした魅力あるまちづくりを、一体的かつ総合的に推進する考えから、地区全体を対象としたまちづくり計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 市民会議が策定するグランドデザインの中で、さまざまな市民提案がなされてくるものと思いますが、地区まちづくり計画に対しまして、市民の提案はどのように反映されるのかお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 市民会議からのさまざまな提案につきましては、実現可能性や地域の合意形成などを十分に踏まえながら、既存事業で実施可能なもの、具体化に向けてさらに検討が必要なもの、計画には反映が困難なものなどに分類し、一定の整理を行った上で、適時、市民会議との意見交換を行うとともに、地区まちづくり計画策定行政部会等において最終的な調整を行い、行政が実施するもの、官民協働で実施するもの、民間が実施するものなどに区分し、可能な限り計画に反映させてまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) いろいろお聞きしました。ことしも市と懇談会を進める中で、この四倉まちづくりふれあい市民会議の方で大きな課題になっている問題が何点かございます。その点についてお聞きしてまいりたいと思いますが、四倉地区においては、まちの中心部の住友大阪セメントの広大な工場跡地の利活用が大きな課題となっております。この跡地利用に対しまして、市はどのように考えているのかお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 四倉ふれあい市民会議では、本年9月に、土地所有者である住友大阪セメント株式会社から提示された工場跡地利用計画試案を参考にしながら、有効活用に向けた土地利用計画案の検討を進めているところであります。 市といたしましても、四ツ倉駅に隣接する住友大阪セメント工場跡地の有効活用は、四倉地区のまちづくりの大きな課題であると認識しており、地区まちづくり計画策定の中で、土地所有者や地元の意向を尊重しながら、市民会議との勉強会を重ねるなどして検討してまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 住友大阪セメントにおきましても、この土地の利用に関しまして、半分近い土地は市に寄付をしてもいいと、このような意向もあるようでございます。そういった部分で、今後、四倉地区において、この広大な面積を持ち四ツ倉駅に隣接する場所でございますので、この辺もお考えの中に十分入れていただきまして検討をお願いしたいと思います。 それでは次の質問に入りますが、いわき四倉中核工業団地は本年4月21日に第1期分25区画の分譲を開始いたしました。契約済み企業も現在2社が決定しておりますが、分譲率はまだ7.6%といった状況にありまして、厳しいものであると感じるところであります。また、本市の企業誘致促進に向けた取り組みに関しましては感謝を申し上げるところでありますが、今後の企業進出の展開はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき四倉中核工業団地につきましては、本年4月に分譲を開始して以来、市外企業2社が分譲契約を締結しており、市ではさらなる企業立地の促進のため、事業主体であります独立行政法人中小企業基盤整備機構及び福島県と一致協力した体制のもと、企業誘致に全力で取り組んでいるところであります。 このような中、去る11月1日には市内の電子部品製造業者から分譲の申し込みがあり、現在、来年1月の譲渡契約締結に向けた準備が進められているところであります。 市といたしましては、今後も地域経済の発展と地元雇用の確保を図るため、引き続き企業誘致に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) 来年1月に新しく契約される会社があるということでございますが、地元におきましての四倉中核工業団地、まだまだ区画としては残っております。何とぞ、東京事務所も含めまして、さまざまなアンテナを張りめぐらせて企業誘致に努力していただけるようにお願い申し上げるところであります。 続きまして、前回、私も質問をさせていただきました道の駅についてでございますが、四倉地区におきましては、海というこのキーワードは欠かせない財産であります。以前、定例会でも質問させていただきましたが、地元においても早期実現を切望しているところでありまして、その現在の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 四倉地区における道の駅登録につきましては、現在、その可能性につきまして国や県と具体的な協議を進めているところでございます。また、登録に向けましては、地元関係団体との連携・協力が必要不可欠でありますことから、先般、四倉ふれあい市民会議の部会におきまして、四倉ふれあい物産館を初めとする地域ストックを活用する手法などについて、委員の皆さまと意見交換を行ってきたところでございます。 今後におきましても、四倉漁港区域のさらなる利活用を図るため、漁業協同組合や地元関係団体との連携のもと、道の駅の具現化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) この道の駅につきましても、地元が早期実現に対して強く要望しているところでございますので、鋭意、地元との調整を進めながら進めていただきたいと思っております。 先ほども、海は四倉地区においては財産であるという観点から質問をさせていただきますが、県水産事務所の指導を受けまして、四倉ホッキ組合と県立いわき海星高校の食品システム科2年生がタイアップいたしまして、ホッキ貝の缶詰を2年にわたり試作して好評を得ていると聞いておるところであります。流通販売において、ホッキ貝はサイズごとに3段階に選別し量販店で販売しているようでありますが、販売の主流は大きなサイズに注文が集中する傾向にあるようでございます。計画的・効率的な販売を進めるための、産官学のこのような取り組みはすばらしいものと私は考えるところであります。 そこで、本年7月より地域団体商標制度、通称、地域ブランドが施行されまして、商標登録の出願の受け付けが開始されました。これは、製品名に産地名や地域名が入った商標を登録しやすくしたものでありますが、本市として、商標を取得するための指導などができないものなのかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 農林水産物などを活用し、地域独自の商品を開発・生産するといった取り組みを継続・発展させるためには、商品の付加価値やブランド力を高めることによって販路を確保していくことが必要であり、地域ブランドを初めとした商標や特許などの産業財産権の取得は大きな強みになるものと考えております。 そのため、市としては、国が主催した地域ブランドに関する説明会について、市内の農林水産団体を中心に積極的に参加を呼びかけるとともに、産業財産権の仕組みや出願手続などに関するセミナーの開催、弁理士による無料相談窓口の設置など、市独自の取り組みも進めてきたところであります。今後も、地域ブランドを含む産業財産権の活用促進に向け、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆14番(根本茂君) この地域ブランドというのは、いろいろな形で大きな影響力を持っていくのではないかと思っております。海産物ばかりではなくて、農産物においてもあるわけですが、調べてみますと北海道から沖縄まであるわけで、今現在、私が調べた段階では324ぐらいが商標登録されていると。この形の中で、福島県においては喜多方ラーメンだけが商標登録されております。私はホッキ貝についてお話ししましたが、このホッキ貝というか、正式名称はウバ貝というんですか、そういう名前かと思いますけれども、北海道の苫小牧漁業協同組合においては、苫小牧産ホッキ貝として商標登録されております。そういった形では、ホッキ貝自体に商標を登録するということではなくて、ホッキの缶詰、こういった加工したもの、こういったものにブランド名をつけると。いわきホッキ貝の缶詰です、缶詰に地域ブランドをつけていくと。こういう形であれば、可能性としては有効なんではないかなという考え方を持ちます。また、ほかにおいて、漁業においては、アンコウだとか、地域的にいわきが本来有名になるべきところなんですが、北茨城の方にブランド名を取られているような状況もあります。 そういったところでは、やはり、これから地域戦略として、この地域ブランドを活用するということが望ましいのではないかなと思っております。その中でも、私は貝焼きというウニを利用した形から考えますと、ブランド化できるんではないかなと、このような考え方もしております。 そして、このような取り組みをしていく場合、こういった取り組みを進めるに当たりましては、行政としての支援策はないのかなと思うわけですが、この点についてお伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 地域における資源や技能を生かした地域特産物の普及宣伝、販路開拓、開発を支援するため、いわき市ふるさと産品育成事業補助金を設け、パンフレットの作成やイベントの開催、物産展への出展や技術者の養成などに対し助成を行っております。 さらに、観光資源との連携や、環境、健康といった付加価値を高めるなど、独自でモデル的な取り組みに対しては、戦略産業プロデュース事業として、事業化まで一連の取り組みを支援することが可能となっております。 ◆14番(根本茂君) この件につきましてはこの程度で終わらせていただきます。 次に、例年、いわき絵凧の会、四倉ふれあい市民会議が四倉海岸で開催しておりますいわきたこ揚げ大会について質問をいたします。この大会も11年目を迎えるわけですが、本年、市長を初め議長にも前夜祭に参加をいただきました。その中で、ことしは日本の凧の会の茂出木会長を初め、北は青森県、南は奈良県までの多くの団体・個人の方々の参加をいただいたところであります。四倉においてのいわき絵凧の会たこ揚げ大会の第3回目は、いわきたこ揚げ大会全国大会という形で開催した経緯がございます。今回のこの前夜祭の中で、日本の凧の会から、このいわきの四倉海岸において世界大会を開催してはどうかと、このようなお話がありました。平成21年度に企画できないものかという打診がありましたが、この大会に関して本市の基本的な考え方をお伺いいたします。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) いわきたこ揚げ大会は、平成8年から実施されている四倉の市民団体を主体とした個性豊かな地域づくり活動でありまして、四倉海岸を舞台に全国各地から数多くの愛好者が訪れるなど、年々盛大なものとなってきております。 先ほども議員のお話にありましたように、過去に全国大会を開催した経過もありますし、先般は世界大会を開いてみてはどうかというお話だそうでございますが、世界大会の開催ということになりますと、交流人口の拡大や地域経済の活性化、さらにはいわきのPRなど、さまざまな効果が期待できるものと考えております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。            午前11時02分 休憩           ------------            午前11時10分 開議 △菅波健君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。2番菅波健君。          〔2番菅波 健君第二演壇に登壇〕 ◆2番(菅波健君) (拍手)2番いわき市議会志政会の菅波健です。通告に従い市政一般について質問いたします。 国では、ことし7月に経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006、いわゆる骨太の方針が打ち出されました。その中で、長期停滞のトンネルを抜け出し筋肉質の経済構造に変貌した日本経済は、ようやく未来への明るい展望を持てる状況となった。いまや我々は新たな挑戦の10年の出発点に立っているとし、挑戦の10年に向けて政府が取り組む構造改革として、1つ、成長力・競争力強化、2つ、財政健全化、3つ、安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現という3つの優先課題を掲げています。日本国再建のため、課題解決に向け各種施策を強力に推進されますことを願うものであります。 さて、我がいわき市に目を投じてみると、ことし市制施行40年の節目の年を迎え、いわき平競輪場のオープンに始まり、今後、いわき駅前再開発ビル及び文化交流施設、北部火葬場と大規模プロジェクトが次々と完成していきます。駅前の再開発事業を含めて、すべてが完成した暁には、いわき市の表玄関である平の景観は大きく様変わりし、一昔前とはまさに隔世の感があることでしょう。これを機に、後世代に負担を先送りする構造をなるべく早く是正し、安心して生きがいをもって暮らせるいわき市の実現のためにも、国同様、筋肉質の地域経済を目指し、行政と我々議会、そして市民が一丸となって、新生いわき市の新たな挑戦の10年のスタートを鮮やかに切ってまいりたいと考えております。 このような観点のもと、いわき駅周辺地区の整備について、以下、質問してまいります。 いわき駅周辺、通称鉄南地区においては、現在、本市の玄関口にふさわしい風格のある市街地の形成を目指し、いわき駅前地区第一種市街地再開発事業や、いわき駅前南口広場の拡張を基本としたいわき駅周辺再生拠点整備事業が進められているところであり、今まさに両事業とも工事が本格化し、ビルの骨格はもとより、いわき駅の橋上化、南北自由通路など、その全容が姿をあらわしつつあります。 一方、鉄北地区においては、いわき駅周辺再生拠点整備事業の構想において、北口広場及び都市計画道路掻槌小路鯨岡線が位置づけられているところであります。鉄北地区では、平成12年度までに丹後沢公園の整備が行われてきたところであります。 私は、いわき駅周辺地区での真の意味における中心市街地の活性化には、鉄南地区と合わせ鉄北地区の整備もきわめて重要であると常々考えており、これまで我が志政会では、有志により、いわき駅周辺一体のまち歩きを実践してきたところであります。 鉄北地区には、平城跡を初め、歴史性を有する松ケ岡公園、丹後沢公園があり、これら本市の歴史・文化について、可能な限り、市民はもとより本市を訪れる方々にわかりやすく、そして多くの方々の利活用につながるPR等の仕掛けづくりに積極的に取り組むべきではないかと考える次第であります。 そこで、鉄北地区の基盤整備も含め、今後の市の取り組み、姿勢について以下質問いたします。 まず第一点は、北口広場の整備概要について伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 北口交通広場は、駅北側利用者の利便性の向上や南口に集中する交通機能の分散による渋滞緩和などを目的に、バス、タクシー、自家用車が乗り入れできる空間と、約150台の自転車駐輪場などを配置する、面積約4,600平方メートルの交通広場として計画したものであります。 ◆2番(菅波健君) それでは次に、今後の整備予定についてお伺いします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 北口交通広場の整備につきましては、平成21年度末予定の南口駅前広場の整備完了後、その整備効果が十分発揮できるよう、可能な限りの早期着手を目指し、調整を進めてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 北口広場の整備は、南口広場、橋上駅舎、自由通路等の整備後とのことでありますが、北口広場が完成して、初めていわき駅周辺地区の一体的・総合的な基盤整備が完了するものであり、一日も早い北口広場の整備が図られるよう切に要望するものであります。 次の質問は、都市計画道路掻槌小路鯨岡線についてであります。本路線は、平成15年12月に2車線及び自転車歩行者通路を確保した都市計画道路として都市計画決定されたところでありますが、現況は狭隘で、歩道等も未整備の状況にあり、朝夕の通勤通学時において交通量も多く、大変危険な状況にあり、早期の整備が待たれているところであります。 そこで、掻槌小路鯨岡線の整備計画概要について伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 都市計画道路掻槌小路鯨岡線は、北口交通広場へのアクセス強化として、自動車交通の円滑な処理と、歩行者や自転車通行の安全な幅員の確保を目的に計画した路線であります。 起点側である国道399号から北口交通広場までの約420メートル区間は、両側に3メートルの自転車歩行車道を確保した幅員約14メートルの2車線の道路として、また、北口交通広場から都市計画道路正内町北目線の交差点までの約560メートル区間は、植樹帯を含む5.5メートルの自転車歩行車道を確保した幅員約20メートルに拡幅する計画となっております。 ◆2番(菅波健君) 次に、掻槌小路鯨岡線の今後の整備予定について伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 都市計画道路掻槌小路鯨岡線は、鉄北地区からいわき駅へのアクセス強化として重要な路線でありますことから、今後、北口交通広場の整備による事業効果を踏まえ、優先順位等を考慮した工区分けや整備手法など、地域の皆さまとの合意形成に努めながら、段階的に整備してまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 区間も長いため段階的にという御答弁でしたが、高校生の通学路にもなっているということですので、安全確保の点からも早期の整備をお願いいたします。 本路線の整備は、国道399号及び正内町北目線とのアクセス道路として、鉄北地区からの連絡強化が図られるものであり、基盤整備には長期間を要するものと思料されますが、着実に事業の推進が図られるよう要望いたします。 次の質問は、いわき駅周辺の歴史性に視点を置いたまちづくりについてであります。 まず、丹後沢公園についてでありますが、丹後沢は平城の内堀で、その名前は、当該堀の土手を築くときに、平菅波に住んでいた箱崎丹後という95歳の老人が人柱となったのが由来であると伝えられており、歴史性のある堀であります。 当該公園は既に整備が完了し、静かなたたずまいを見せる中、池の浄化等も施され、いこいと潤いの空間としての都市環境が形成されております。しかしながら、当該公園は平旧城跡の住宅地に囲まれたところに位置することから、入り口がわかりにくいということもあり、現実的に余り利活用が図られていないのが実態であるように散見されます。 そこで、丹後沢公園を市民や観光客に対し、常に質の高い快適な空間として提供することが重要であるとの考えから、維持管理の改善という点について質問いたします。 丹後沢に接する園路は、雨が降った後は斜面からの雨水も集まり、ぬかるんで歩きにくくなっていることから、多少の雨でも散策ができるような舗装が必要と考えますが、その御所見を伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 丹後沢公園は、歴史性及び風致性などを生かした近隣公園として、平成7年度から平成12年度にかけて、広場、園路、池の浄化などの整備を行いましたが、園路につきましては、その後の経年変化により表面が粘性化し、降雨時には公園利用者に不便をかけている状況も見受けられますことから、市民や観光客等が快適に利用できる舗装整備に向け、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 他市の公園では、そういう園路にウッドチップなどを活用して、歩きやすいような工夫もなされているところもありますので、そのようなことも御検討いただければと思います。 次に、丹後沢には、枯れ枝、落ち葉が堆積していますが、池の浄化を含め、快適な水辺空間とするための維持管理をどのように行っているのか伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 水辺空間の維持管理につきましては、池の下流部にろ過装置を設置し、水の浄化を行うとともに、その周辺部の簡易的な落ち葉の除去等も行っております。 しかし、池周辺は斜面緑地に囲まれており、枯れ枝や落ち葉等が多く、池内にも堆積している状況にありますことから、現況調査を行い、適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 続きまして、松ケ岡公園について質問させていただきます。 現在、地区公園となっている松ケ岡公園は、いわき市史に、平の西端薬王子台にあり、慶長5年、岩城貞隆公が外城を計画してならず、その後荒廃し、当時、茶畑、麦畑、竹やぶとなっていたところを、明治40年、日露戦争戦勝記念事業として、平町会の決議により、初めて公園として整備されました。大正2年竣工、面積1万2,500坪、まず、大きな池をつくり、桜を植え、松、藤、ツツジ、花ショウブなど折々の開花時には、誘客群れを成すと言われたそうです。ツツジは、東京大塚の旧藩主安藤邸より、歴代の安藤公が愛してやまなかった古木1,000本を移植し、さらに全国より名木を集めたということです。頂上広場には忠魂碑、幕末の老中で平藩主安藤信正公の銅像が、威厳に満ち凛として平の町並みを見守っております。 また、下方池畔には、戊辰戦争で西軍への恭順を唱えた真木光氏の頌徳碑や、戦後京都から移築した愚庵邸があり、茶会等風流韻事の場となっています。 戦後は児童遊園地の設備がつくられ、四季を通じて子供たちの行楽客で賑わい、ことに最近はツツジの名所としての声価が高いと言われており、本市の公園の中でも多くの市民に親しまれてきた公園でありますが、公園内にある遊具等については老朽化している施設等もあり、歴史性を踏まえた形での公園であってもよいのではないかと考えております。 そこで、当該公園の歴史性をより高め、広く市内外の方々の利活用を図るための公園のあり方について、どのように考えているのか伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 松ケ岡公園は、市民生活に憩いと潤いを与え、広く市民に親しまれている地区公園であります。しかし、園内にある豆汽車、メリーゴーランド等の有料遊戯施設は、老朽化が進み、利用者数が減少傾向にありますことから、安全性の確保や採算性の観点から、廃止を前提に検討するとともに、安藤信正公の銅像や、安藤公にまつわるツツジ、天田愚庵邸等の歴史ある施設については、一層のPRに努め、さらに、ツツジ、桜の名勝として、四季を通して市民や観光客が訪れる特色ある公園づくりを目指してまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) この項最後の質問になりますが、冒頭にも申し上げましたとおり、いわき駅周辺には、平城跡を中心として数多くの史跡があります。城跡周辺は既に民家住宅が密集するなど、平城の復元は非常に難しいこと、また、鉄北地区の基盤整備についても、比較的狭小な宅地となっていることなどから、土地区画整理事業は同様に難しいものと認識しております。 しかしながら、平城跡には石垣が残っていることなど、また、丹後沢公園、松ケ岡公園等、いわきの歴史をまさに伝えるという意味においてシンボル性も高く、鉄北地区はもちろん、鉄南地区も含めた中心市街地におけるPR等の仕方によっては、さらなる利活用が図られるものと考えております。さらに仄聞するところによれば、いわき商工会議所が行ったいわきTMO構想においても、中心市街地に残る旧所、名所、歴史的建造物、城下町に由来する町名等、そのいわれを紹介するまちかど案内板などの設置の調査報告書もあると伺っております。 これらのことを踏まえ、中心市街地まちづくりの一環として、市民や観光客の方々が散策して本市の歴史を体験できるよう、史跡の紹介はもとより、マップの作成や案内板・説明板等を設置するなどして、いわき駅周辺を回遊できるような仕掛け作りをし、真の意味での中心市街地活性化につなげていくべきと考えますが、その御所見を伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき駅周辺には、名所・旧跡や歴史的建造物、城下町に由来する町名など、歴史的資源が数多くあり、それらを活用して回遊性を高めることは、中心市街地の活性化を図る上で効果的であると認識しております。そのことから、市は、これまでいわき商工会議所等と連携し、中心市街地における歴史的資源等について調査・研究を行ってきたところであります。 今後は、その検討結果やいわき駅周辺の整備状況等を踏まえ、市民や観光客向けのマップや案内板の作成など、歴史的資源等を活用したいわき駅周辺の回遊性の創出について検討してまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 官民協働で、歴史、自然、人などの地域資源ストックをいかに有効に活用できるかが成功のかぎを握っていると思います。 ちなみに、静岡県の伊豆半島南端に近い東海岸に、河津町という人口約8,500人の町があります。この町は、恵まれた自然と比較的温暖な気候を観光資源として活用し、観光人口入り込み数は、平成17年度約170万人になるそうです。その取り組みの主なものには、1ヶ月間開花時期を保つ寒桜の一種の河津桜の特性を生かし、毎年2月上旬から3月上旬の約1ヶ月間開催している河津桜まつりがあります。河津桜並木は河津駅近辺の河口から峰温泉までの河津川沿いに約3キロメートル続いており、夜にはライトアップされ、その眺望は幻想と荘厳に満ち、壮観だそうです。この桜は緋寒桜と早咲き大島桜の自然交配種と考えられており、花びらが大きくピンク色が特徴です。この河津桜の花見に1ヶ月間で約110万人の観光客が訪れます。その経済効果は約300億円だと言われております。また、近隣には四季折々の草花が楽しめる風土の森や、バラ愛好者も十分堪能できる河津バガテル公園等々、四季折々何らかの催しが開催され、年間を通し観光客が絶えることがありません。本市においても、ぜひこのような、観光誘客ができるような仕掛け作りを積極的に行っていただけるよう要望して、次の質問に移ります。 続きまして、いわき市の水道事業についてお尋ねします。 本市の水道事業において、本年10月25日いわき市水道事業経営審議会から答申書が提出されました。平成19年度から平成28年度までの10年間の基本計画が、未来に引き継ぐいわきの水道、安全でおいしい水を必要なだけの基本理念のもとに策定されました。また、並行して、実効性を持たせるべく、平成19年度から平成22年度までの4年間の具体的目標値を定めた中期経営計画が答申書に盛り込まれました。 そして、今回の答申内容で最も重い問題として、水道料金改定があります。幾ら神武、いざなぎを上回る景気と言われていても、我々市民にはその実感はありません。そのような中での料金改定は到底受け入れられず、理解できないものであります。 平成14年にも、当該審議会が当時の市長より諮問を受け、平成15年10月24日に同審議会から水道料金制度についての答申内容の説明を受けました。我が志政会の前身である明世会が改めて独自に精査いたしましたところ、今後の企業努力として答申書に盛り込まれた5項目、すなわち、1つ、組織の簡素化、2つ、業務委託の拡大、3つ、ITによる業務効率化の促進、4つ、広報活動の促進、5つ、職員研修の充実、加えて明世会の意見で6番目として企業職手当の検討という6項目の確実な実施と検証ができるまでは、水道料金改定にかかる給水条例の改正には否をもって臨まざるを得ないものと強く市長に申し入れをし、平成15年11月臨時議会と12月定例会で見送られた経緯があります。 これらのことを踏まえ質問いたします。 平成15年度以降の水道事業経営について伺いますが、平成15年の水道事業経営審議会からの答申で8.42%の値上げが必要とされたが、企業努力を優先することとして、これまで水道料金を値上げせずに水道事業を運営してきていますが、平成15年度の議会に示された企業努力の6項目について、どのような経営努力がなされてきたのかお示しください。 ◎水道局長(藍原克美君) 平成15年度にお示ししました企業努力6項目につきましては、次のような経営努力をしてまいりました。 1項目めの組織の簡素化につきましては、平成19年度からの実施に向けて、営業所廃止を含む組織機構改革の取り組みにより人件費の削減を図ってまいりました。 次に、2項目めの業務委託の拡大につきましては、基幹浄水場の運転管理業務の外部委託拡大によりまして、浄水場におけるさらなる人件費の削減を図りました。 また、3つ目のITによる業務効率化の促進につきましては、文書管理等を行う職員ポータルシステムの本格的な運用を開始いたしました。 4項目めの広報活動の促進につきましては、水道局独自広報紙の発行回数をふやしたり、市のホームページの活用を図っております。 また、5つ目の職員研修の充実につきましては、接遇研修や倫理道徳研修、さらには専門別研修などを行ってまいりました。 また、6項目めの企業職手当の見直しにつきましては、当該手当の廃止を決定いたしました。 これらの企業努力によりまして、平成16年度の取り組み時から本年度末までにおいて、27名の正規職員の削減を行うなど、費用削減効果は約4億2,300万円となる見込みであります。 ◆2番(菅波健君) 各項目にわたりまして丁寧な答弁をいただきありがとうございます。 冒頭申しましたように、それら6項目の確実な実施の検証に至っているとお考えでしょうか、お伺いします。 ◎水道局長(藍原克美君) 企業努力の6項目につきましては、平成16年3月に経営効率化計画を作成いたしまして、それぞれの項目について、各年度における具体的目標を定め、実施してきたところでありますが、6項目すべてにおきまして、おおむね計画どおり実施していることの検証を行いました。 ◆2番(菅波健君) それでは次に、平成19年度以降の水道料金についてお伺いしてまいります。平成19年度以降の事業運営について、これまでと同じように、水道料金を値上げせずに事業運営できないのかお尋ねします。 ◎水道局長(藍原克美君) 料金収入が年々落ち込む中、これまで企業努力によりまして資金収支の均衡を保ってまいりました。しかしながら、今後もさらに料金収入の落ち込みが続くものと見込まれることに加え、企業債償還金は、その充当財源となる純利益の3倍に増加すると見込まれます。 また、耐用年数の満了が確実に近づいている浄水場などの大型施設の更新に備え、今後の企業債借入を抑制する必要があり、平成19年度以降4カ年において約47億円の企業債収入を充てましても、約30億円の資金が不足することが見込まれますことから、水道料金の値上げが必要と判断したものであります。 ◆2番(菅波健君) 今後4年間で約30億円の資金不足が生じるとの答弁でしたが、そこで次の質問です。 平成17年度まで水道事業の収益的収支が黒字で推移してきている中で、なぜ水道料金を値上げしなければならないのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 公営企業であります水道事業は2つの収支勘定で成り立っております。 1つは収益的収支勘定で、水道料金などの収入と給水サービスの提供に必要な経費との収支関係をあらわしております。もう1つは資本的収支勘定で、水道施設の建設や改良などの設備投資に必要な経費とその充当財源との収支関係をあらわすものです。 事業を運営していくためには、2つの収支勘定を合わせて収支が成り立つことが必要ですが、黒字が見込まれる収益的収支勘定と資本的収支勘定を合わせて見込んだ財政収支見通しにおきましては、先ほど申し上げましたとおり、企業債償還金の増加や今後の企業債借り入れの抑制などにより、財源に不足、すなわち赤字が見込まれることから、将来にわたって安定的な経営を図っていくためには、水道料金の改定が必要であると判断したものであります。 ◆2番(菅波健君) 何となくわかるような気もしますが、もう少しわかりやすく、家計のようなものに例えて御説明いただけないでしょうか。 ◎水道局長(藍原克美君) 黒字の中での料金値上げの理由につきまして、わかりやすい説明ということでございますが、今後4年間の水道事業会計の状態をあえて家計に例えますと、次のようなイメージになるのかなと思います。 すなわち給料の伸びを見越しまして、以前に買いました車とか住宅ローン等の借入金が家計を圧迫し始めてきたということでございます。今後とも、ローンの元金返済を除けば生活費を切り詰めることでやりくりはできますものの、ローンの元金返済を含むすべての経費までは賄い切れない見通しにございます。こうした場合、給料の伸びを期待するとか、新たに借金するかになりますが、将来のことを考えますと安易に借金に至ることは避けなければならないことなので、不足財源の一部を今回水道料金に反映させるため、今回の改定をお願いすることとなったものでございます。 ◆2番(菅波健君) 家計に例えてのわかりやすい御説明ありがとうございます。つまり、給料が少し減っていくものの、日々の生活は何とかできると。しかしながら、家や車のローンの返済ができなくなりますが、新たな借金もできない。その分、給料を少し上げてくださいということと理解しますが、よろしいでしょうか。 ◎水道局長(藍原克美君) 家計に例え、単純化しましたらおおむねそういう理解で結構でございます。 ◆2番(菅波健君) それでは次に、今回の水道料金改定案の改定率9.82%の根拠がどのような理由によるのか質問してまいります。 今後の水需要はどうなると見込んでいるのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 水需要につきましては、過去5年間における使用水量の推移に、今後の給水人口や経済動向等の見通しを加味し予測したものでありますが、今後も水需要の減少傾向は続くものと思われ、毎年約1%の減少を見込んでおり、料金に換算いたしますと年約8,000万円に相当するものでございます。 ◆2番(菅波健君) 毎年1%ずつ水需要が減り、その金額は毎年8,000万円ということですが、それでは次の質問に移ります。 いわき市合併以来、40年間水道施設を整備してきていますが、これらが次々に更新期を迎えると聞いておりますが、今後どの程度の規模になるのかお示しください。 ◎水道局長(藍原克美君) 将来、更新を必要とする配水管や浄水場などの施設は、平成17年度末において、取得価格ベースで約1,150億円であります。実際に古くなった施設を更新するときには、物価上昇や環境などの変化によりまして取得価格を上回る費用が必要となります。 今後の施設更新計画につきましては、料金算定期間では、延命策を講じるなどにより、年平均で約23億円に抑えた更新事業を行う予定でございますが、今後10年単位で見た場合、10年後の更新需要は現在のおよそ2倍に、また、20年後にはおよそ3倍になるものと推定されます。 ◆2番(菅波健君) 配水管や浄水場などの施設更新には予想外の費用がかかり、しかも時期がおくれるほど費用がかさむということで大変心配するところでございます。 次に、それでは、借金である企業債は年間水道使用料料金収入の約5倍に当たる約420億円ですが、後世代の負担を減らす考えでいると聞いておりますが、どのようにしていくのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 料金算定期間となる今後4年間における年平均の企業債元利償還金は約32億円であり、これは年間料金収入の約4割に相当し、水道水の供給単価に大きな影響を及ぼすものであります。水需要が低迷し続ける状況下にあって、今後も従来の割合で借り入れを続けた場合、将来世代における負担がさらに大きくなってしまいますことから、10年後の企業債残高を300億円程度まで減らす必要があります。このため、今後の借入額を償還額の半分程度までに近づけ、抑制することによりまして目標を達成したいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 後世代に負担を残さないようなしっかりした取り組みをお願いいたします。 今後の水道事業運営に資金が不足するということですが、どのくらい不足するのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 平成19年度から平成22年度までの4年間における資金収支の支出額は、建設改良のために必要な資金や企業債にかかる元金償還のための資金など、総額で242億7,800万円が見込まれます。 これに対して、減価償却費相当分の料金収入など、企業債収入を除きました財源見込み額は165億6,100万円で、差し引き77億1,700万円の不足が見込まれるものであります。 ◆2番(菅波健君) 77億1,700万円の資金不足が生じるということですが、その資金不足にどのように対処していくのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 財源として不足する77億1,700万円の対処につきましては、不足額の6割を企業債の借り入れで、残りの4割を水道料金の改定による増収によって補いたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 不足する約77億円の4割に水道料金改定による増収分を充てるとのことですが、これが先ほどの質問での、今後4年間の30億円の資金不足ということだと思います。 それでは、今回水道料金改定が改定案どおりになされた場合、今後しばらく料金改定をやらなくても事業経営ができるのかお尋ねします。 ◎水道局長(藍原克美君) 水道料金の算定方法につきましては、社団法人日本水道協会の水道料金算定要領に基づき料金を算定しているところでございます。料金を算定する期間につきましては、当算定要領の中でおおむね将来の3年から5年とされており、本市におきましても、これらの期間の中で料金を算出してきたところでございます。 この算定期間内における収支均衡の維持と将来における事業運営の維持を図るため、その期間内の水の需要量を予測し、これに対応するための施設計画等をもとに水道料金を定めることになります。このため、当該算定期間終了後における水道料金は、次の算定期間のもとで新たな収支予測に基づき判断されることになります。 ◆2番(菅波健君) その時点で算定判断しなければわからないということですね。 それでは、次の質問に移ります。今後の水道事業運営において、どのような企業努力をしていくのか質問いたします。 まず、今後の企業努力はどのように考えているのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、企業努力の6項目のうち、既に解決を図った企業職手当の項目を除く残り5項目についての取り組みを、今後においても推し進めてまいる考えでございます。こうした取り組みにより、さらなる組織の簡素化や業務委託の拡大を通しまして一層の経営の効率化を図る考えであります。 料金算定期間内における費用削減目標を年平均1.8%と定め、毎年約1%ずつ見込まれる給水収益の落ち込みを上回る費用の削減を目指し、今後ともなお一層の企業努力を続けてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 差し引き0.8%を少しでも後世に残していく努力をするということだと思います。 その企業努力の検証を今後どのように行っていくのかお聞かせください。 ◎水道局長(藍原克美君) 今後の企業努力につきましては、水道事業経営プラン中期計画の中に、数値目標を掲げ盛り込んでおるところでございますが、これらの目標値が計画どおり実行されているかどうか、その進捗状況を検証し、自己評価を行う予定でございます。 また、水道事業経営審議会におきましても事業評価を行っていただき、結果を市民へ公表することによりまして、事業評価の客観性と透明性を確保していきたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 私たち市民にとって、安心しておいしく飲める水は一日も欠かすことのできない命の源です。当該水道事業の将来を見据えた持続可能な安定経営のため、このたびの水道料金改定の必要性と理由について誠意ある答弁をいただきましたが、限られた時間の中で、私自身まだまだ十分理解できない部分や疑問に思う点も残ったのが実感です。今後の当局の課題は、市民への説明と理解を求めることも必要ですが、地方公営企業法の全部適用を受ける視点から、より企業性を発揮し、職員一人一人の企業人としての意識を民間企業以上に高く堅持することだと思います。それが、よりよいサービスの向上と市民の負担軽減につながることと確信いたします。今後とも、さらなる当局の誠意と熱意ある取り組みに御期待申し上げ、この項の質問を終わります。 続きまして、いわき市の福祉行政について質問いたします。 まず、介護保険制度についてお尋ねします。 高齢者が住みなれた地域で尊厳のある生活を継続することができるよう、要介護状態になっても、高齢者のニーズや状態の変化に応じて必要なサービスが切れ目なく提供される、包括的かつ継続的なサービス体制を目指すとして、本市においても7カ所の地域包括支援センターが設置され、本年4月よりサービスが開始されたところであります。 当該センターの果たす役割はきわめて重要なことから、以下、質問してまいります。 まず、介護保険制度改正後、運営されている地域包括支援センターの現状はどのようになっているのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域包括支援センターにおいては、高齢者保健福祉に係るさまざまな相談等を行っているほか、要支援1、2の方を対象として、介護予防にかかるケアプランの作成を居宅介護支援事業者と協力して行っております。しかし、本年4月の設置以降、介護予防プランの作成に係る業務量が当初の見込みを大幅に上回る状況となりました。このため、民間の居宅介護支援事業所に介護予防プランの作成に係る協力を改めて求めるとともに、地域包括支援センター職員の増員を図ってきたところであり、現在は、各種相談への対応など地域包括支援センター本来の業務も合わせ、支障なく遂行できる状況となっております。 なお、今後とも介護予防プランの作成を中心として業務量の増大が見込まれることから、事務の効率化を図るとともに、引き続き職員を増員するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) それでは、包括支援センターの機能充実に向けて、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域包括支援センターにつきましては、介護予防プランの作成などとともに総合相談窓口としての機能を担うなど、地域における高齢者の総合支援機関としての役割が求められております。このため、保健師や社会福祉士などの専門職員がそれぞれの専門分野を生かしながら、地域に根ざした活動を継続していくことができる体制を確保するとともに、専門職としての経験の蓄積とスキルアップを図りながら、長く継続して携わっていける職員を確保していくことが重要であると考えております。 そのためには、職員の継続性、専門性を担保できる運営体制について、業務の委託なども視野に入れながら検討しているところであります。
    ◆2番(菅波健君) ただいまの答弁に専門職というキーワードが何度も出てまいりましたが、それらが本当にかなり重要なことを占めていると思います。今後、この後の質問でもそれらについて触れてまいりたいと思います。 次に、地域福祉計画についてお尋ねします。 かつての伝統的な家庭や地域の相互扶助機能が弱体化し、地域住民相互の社会的つながりが希薄化する中、少子・高齢化、産業や社会経済情勢の変化等で地域社会が変容しています。 このようなことから、青少年から高齢者に至るまで、生活不安とストレスの増大等により、自殺、高齢者の孤独死、DV、虐待、引きこもりなどのさまざまな社会問題が発生しています。これらの問題を解決するためには、公的なサービスだけでは対応が極めて困難な状況から、国でも、社会福祉の基本理念の一つとして、地域福祉の推進を掲げ、地域に暮らすさまざまな人々が抱える生活課題を、地域住民、事業者、行政など地域のさまざまな主体が協働で課題解決を図るものとしました。つまり、与えられる福祉、受動的福祉から、みずからが主体となる福祉、能動的福祉への転換です。 本市においても、一人一人が住みなれた地域の中で、生涯にわたって心豊かに安心して自立した生活を送ることができる地域社会をつくることを目的とし、いわき市地域福祉計画の策定に取り組んできたと聞いております。 このことについて、以下、質問してまいります。 まず、地域福祉計画策定に、これまでどのようなことに取り組んできたのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域福祉計画は、社会福祉法の規定に基づき、市町村がそれぞれの地域の実情や特性等を踏まえながら、福祉分野における基本的な考えを取りまとめた上位計画として策定するものであります。 本市においては、本年5月に、庁内の関係課長等20名で構成するいわき市地域福祉計画庁内検討委員会を設置するとともに、6月には、学識経験者、福祉関係団体の構成員及び公募による市民等15名で構成するいわき市地域福祉計画策定委員会を設置し、専門的かつ広範な視点から、これまで3回にわたり検討を行ってきております。 また、本計画は、住民参加による計画づくりが重要であることから、7月から8月にかけ、市内の7地区保健福祉センターの所管区域を単位に地域福祉懇談会を開催し、それぞれの地域における生活上の課題やその課題解決に向けた方策等について話し合っていただき、これをもとに計画素案を取りまとめました。 さらに、この計画素案に対するパブリックコメントを、去る11月10日から同30日までに実施したところであります。 なお、本計画の策定状況については、随時、市ホームページを通じて、広く市民の皆さまに周知しているところであります。 ◆2番(菅波健君) 今後の予定はどうなっているのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 今般実施いたしましたパブリックコメントに寄せられた御意見等を踏まえながら、今後、地域福祉計画策定委員会等において引き続き検討を進め、来年2月を目途に、市に提言をいただく予定であります。 ◆2番(菅波健君) その計画を実効性あるものとするための方策をどのように考えているのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本計画は、地域の実情や特性等を踏まえながら、本市の地域福祉の推進を総合的かつ計画的に進めていくための基本的な指針、いわば、福祉分野における基本構想として策定するものであります。 したがいまして、本計画を基本として、市高齢者保健福祉計画や新・市子育て支援計画など、各個別計画において具体的な施策を展開するとともに、設定されている数値目標等の達成を通し、本市の目指すべき福祉社会の実現に努めてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) さまざまな取り組みがなされてきたようですが、地域ボランティアや退職されたお年寄りの方々にも大きな役割を担っていただかなければ、持続性のある地域福祉の確保はあり得ません。今後ともさらなる取り組みを切に要望いたします。 続きまして、本市の福祉行政体制についてお尋ねします。 まず、社会福祉を取り巻く状況は、介護保険制度の大幅改正や障害者自立支援法の施行、生活保護世帯の増加、児童の虐待問題など、業務が多様化するとともに、業務が非常に増大しているように見受けられますが、当局としてはどのように受けとめているのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 近年の福祉行政は、少子・高齢化や核家族化の進行、地域の連帯感の希薄化などに象徴される社会経済のさまざまな変化の影響を受けるとともに、措置から契約へ、保護から自立へ、あるいは施設から地域へといった社会福祉基礎構造改革が進められ、社会福祉分野の各種制度も大きな変革期を迎えている状況にあります。 このため、福祉行政に求められる業務も、また一層複雑・多様化かつ高度化、専門化するとともに、行政の果たすべき役割も増大しているものと認識しております。 ◆2番(菅波健君) それでは、業務の増大、援助内容が多様化・複雑化してくると、特に地区保健福祉センターのケースワーカー等の体制は十分機能し得る体制が整っているのか心配とするところです。このことについて質問いたします。 まず、障害者自立支援法の全面施行により、体制強化を必要とする部分がないのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 障害者自立支援法が本年10月より全面施行されたところでありますが、同法においては、従前の支援費制度に比べ、サービスの支給決定に当たって、認定調査の実施や障害程度区分の判定が必要になるなど、サービス利用に関する新たな事務が生じております。 また、障害程度区分の決定後に、各地区保健福祉センターにおいて、利用者よりサービス利用に関する意向を聴取し、サービス利用計画を策定するなど、利用者に対する支援策もきめ細かなものとなっております。 このようなことから、今後はサービス利用計画の作成を支援できる職員を育成するため、県の障害者相談支援従事者養成研修会へ参加するなどして、従事する職員の資質の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 介護保険制度の見直しにより、体制強化を必要とする部分がないのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 改正介護保険法が本年4月より施行されたところでありますが、同法においては、近年の複雑多様化する高齢者保健福祉ニーズにより専門的に対応できる総合相談機関として、地域包括支援センターを設置することとなりました。本市におきましても、従来の高齢者保健福祉に関する相談窓口でありました在宅介護支援センターや地区保健福祉センターを再編し、本年4月より新たに市内7カ所に専門3職種である社会福祉士、保健師、主任ケアマネージャー等を配置した地域包括支援センターを設置し、体制の強化を図ったところであります。 今後も高齢化の進行に伴い、何らかの支援を要する高齢者がさらに増加する見込みであること、また、高齢者虐待や認知症高齢者対策、権利擁護などの困難事例も増加してきており、より高度な専門性が求められてきております。このようなことから、随時必要な研修を図りながら、従事する職員の質の向上とともに、必要となる職員の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆2番(菅波健君) 社会問題となっている児童虐待やDV等への対応で、体制強化を必要とする部分がないのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 児童虐待への対応については、各地区保健福祉センターのケースワーカー及び家庭相談員が担当しているところでありますが、平成16年からは市児童虐待防止等ネットワーク会議を設置し、児童相談所、警察など関係機関との一層の連携強化を図っているところであります。 また、DVへの対応については、ケースワーカーや家庭相談員に加え、専任の女性相談員が対応することとしております。 なお、ケースワーカーに対して、社会福祉行政初任者研修を初め専門研修を実施しているところであり、家庭相談員、女性相談員につきましても、それぞれ関係する研修に参加させ、資質の向上に努めているところであります。 ◆2番(菅波健君) 人員体制の確保とあわせて、地区保健福祉センターのケースワーカーのように、人を援助する職種は幅広い援助の知識や高い専門性と技術が必要不可欠なものと考えますが、習熟度の確保はどのようになされているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) ケースワーカーの習熟度の確保については、人事異動により初めてケースワーカーとして配置された職員を対象として、本市独自の専門研修である社会福祉行政新任者研修を実施しているほか、職員の担当業務の内容や経験年数等に応じて、国や県等が実施する各種研修会に参加し、必要な知識や技術等の習得に努めております。また、各地区保健福祉センターにおいても、ケースワーカーを指導する査察指導員を中心として、日常業務における困難事例等を題材にケース検討会を開催するなど、より実践的な対応についても調査・研究を行い、職員の一層の資質の向上に努めております。 ◆2番(菅波健君) あと幾つか細かい質問もあったんですが、最終的な質問とさせていただきます。 福祉行政においてすばらしい制度や組織ができても、さまざまな福祉ニーズに十分に対応できる機能を備えた体制の確立ができるか否かで、真の福祉サービスが享受でき得る、安心して住めるいわき市の実現がかなうものだと思います。しかしながら、困難な福祉ニーズに対応すべく、行政職員が懸命に取り組む中でも、各自の業務に追われチーム連携の余裕もなく、一人で問題を抱え、必要な機能に支障を来している現実もあると聞いております。 このような現実に、市長はどのようなお考えを持っているかお聞かせください。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 私は、市政運営に当たりましては、常に生活者起点の視点を持ち、限りある人材、あるいは財源を最も効果的に用いながら、市民福祉の向上に全力で取り組むことが為政者にとって何よりも重要なことであると認識しております。また、現在、国の三位一体の改革等によりまして、本市の財政は非常に厳しい状況にあることは議員も御承知おきのとおりでありますが、本年度より5年を期間とする定員適正化計画を実施するなど、一層の行財政改革を推進する必要があると考えております。 一方、このような中にありましても、市民生活に直結した福祉部門は最もマンパワーが必要とされるところであります。今後とも職員の配置や資質の向上におきましては最大限の意を用いながら、市民ニーズを的確にとらえた施策を展開してまいりたいと考えております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。            午後0時13分 休憩           ------------            午後1時10分 開議 △小野邦弘君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。7番小野邦弘君。          〔7番小野邦弘君第二演壇に登壇〕 ◆7番(小野邦弘君) (拍手)7番いわき市議会清和会小野邦弘であります。 質問に入る前に、本市に関係するスポーツ関連での明るい話題を紹介したいと思います。 まず、高校生においては、平工業高校のラグビー部が、12月27日から花園ラグビー場で行われる第86回全国高等学校ラグビーフットボール大会に2年ぶり10回目の出場が決まりました。また、いわき総合高校が女子駅伝において田村高校の14連覇を阻止し、12月24日に京都で開催される第18回全国高等学校駅伝競走大会に初出場が決まりました。プロスポーツに目を向けますと、プロ野球では、勿来工業高校出身でJR九州に所属する小松聖選手がドラフト1位でオリックスへの入団が決定し、サッカーでは、植田中学校出身で現在J2の愛媛FCで活躍中の高萩洋次郎選手が、カタールの首都ドーハで開催されているアジア大会に、21歳以下の日本代表として出場しております。いわき市で育ち、みずからの力で新しい世界へ飛び立とうとしている若い力の今後の活躍、そしていわき市を大いにPRしていただくことを期待し、以下、通告順に従い質問いたします。 まず、大きな質問の1番目は、下水道使用料の改定についてであります。 私は常日頃から、生活環境を改善していくことや河川や海などの公共用水域の水質を保全していくことは、現代に生きる我々にとって必要なことであるばかりでなく、これを次の世代に引き継いでいくことも大切なことであり、このために果たしてきた下水道事業の役割はきわめて重要なものがあると認識しております。 平成13年度に、本市におきましては、これまで個別に進めてきた下水道事業や農業集落排水事業、合併処理浄化槽整備事業などの生活排水関連事業の総合化を図るために、いわき市総合生活排水対策指針を策定しましたが、効率的な生活排水対策を進める上で大きな意義を持つものと認識しており、この方針に基づき、各種の施策は今後とも市の中心施策として推進していくべきものであり、その中心的役割を担う下水道事業の健全な育成を図ることが何よりも重要であると考えております。 ところで、今回の定例会におきましては、下水道事業推進のために不可欠な財源となっている下水道使用料が、平均改定率16.23%となる値上げの改定案が提案されておりますが、料金改定に当たっての市当局の基本的な考え方について確認したいと考えております。 そこで、以下、何点か質問いたします。 まず、1点目は、今回改定案として出されている下水道使用料は、平均改定率が16.23%となっており、下水道事業の健全化を図る上では必要なこととはいえ、市民負担を考慮した場合、決して低率とは言えないものであると思いますが、このような改定案とされた基本的な方針をお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 今回の使用料改定案につきましては、国の指導である1カ月20立方メートル当たり3,000円という最低使用料を、今後2回の改定で対応すること、経費の縮減と使用料の増収策により改定幅を圧縮すること、さらに、他の中核市や県内他市との均衡に配慮することなどから、資本費への使用料算入率を35%としたものであり、一般会計からの繰入金を抑え、下水道財政の健全化を図ることを基本方針といたしました。 ◆7番(小野邦弘君) 次に2点目として、下水道財政の健全化を図るため、下水道使用料への資本費算入率を35%に改定するとのことですが、他市における資本費算入率はどのくらいであるのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 平成17年度末における県内の主な他市の資本費算入率の状況は、福島市が36.6%、郡山市が39.4%、会津若松市が43.7%となっております。また、本市を含む中核市36市の平均は53.9%となっております。 ◆7番(小野邦弘君) 次に3点目として、他市における下水道使用料は幾らであるのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 平成17年度末における、県内の主な他市の一月当たりの平均使用水量20立方メートルにおける下水道使用料は、福島市と会津若松市が2,730円、郡山市が2,930円であります。 ◆7番(小野邦弘君) これまでの答弁によりますと、本市の現行における下水道使用料の資本費算入率は中核市の中でも大分低い状況であることがうかがえ、また、下水道使用料についても、県内の主要3市と比較し、低額に設定されていると思われます。 そこで、4点目として、今回の下水道使用料改定に当たり、標準的な世帯における値上げ額はどのぐらいになるのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 標準的な世帯における一月当たりの平均使用水量は約20立方メートルとなっており、その場合の下水道使用料は、消費税込みで2,352円のところが、改定後は2,734円となり、382円の値上げになるものと見込んでおります。 ◆7番(小野邦弘君) 下水道使用料の改定に当たり、市当局としても、使用料の値上げ幅を縮減するための努力をされていると思いますが、どのような取り組みをなされたのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 下水道使用料の改定に当たりましては、最小の値上げ幅とすることを基本原則としており、そのためにも、これまで以上に未接続世帯の解消を図るなど、約5,000万円の収入の増に努めるとともに、維持管理費においても徹底した予防保全策を講じることによる施設の延命化を図ることとし、約3億円の経費を縮減することといたしました。このことから、4年間で合計約3億5,000万円の下水道使用料改定額の軽減を図ることとし、当初約20%と見込んでおりました下水道使用料の平均改定率を16.23%へと縮減することといたしました。 ◆7番(小野邦弘君) それでは最後の質問になりますが、今後、市民に対してどのような方法で理解を求めていくのかお伺いいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 市民の皆さまに対しましては、まず、広報いわきや市のホームページへの掲載により広く周知するとともに、下水道使用者に対しましては、水道局と歩調を合わせながら、チラシを配布するなど戸別の周知を図ってまいりたいと考えております。また、事業所のうち、特に、1カ月当たり300立方メートル以上を排出する、いわゆる大口事業所に対しましては、使用料が多額であることから、できるだけ早く周知したいと考えており、1月中には直接お知らせを送付したいと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) これまでの答弁によりますと、下水道使用料の改定の内容については、本市における厳しい状況もさることながら、他市の状況などを総合的に勘案して判断された結果であると見てとることができます。また、市当局におきましても、下水道事業の健全化のため、経費の縮減や増収策についても努力の跡が見受けられる状況であります。 したがいまして、私は、最初に申し上げましたとおり、生活環境を改善し、河川や海などの公共用水域の水質を保全し、次世代に引き継いでいくことは、現代に生きる我々市民に課せられた課題であると考えており、その中心的役割を担う下水道事業の健全化を図り、適正に維持していくためには、標準世帯で382円の値上げにより、県内の主な都市と同程度の下水道使用料金になるとのことでありますので、受益者である市民負担のある程度の増加はやむを得ないものではないかと考えるところであります。 今後とも、市総合生活排水対策方針に基づいた目的達成のため、市民の理解を得ながら、本事業の推進に努めていくことが重要であることを申し上げ、下水道使用料の改定に関する質問を終わります。 次に、大きな質問の2番目として、補助金の見直しについてお伺いいたします。 大都市など、一部の地域においては景気回復の兆しが見えていますが、地方においては依然として厳しい経済状態が続いており、本市においても、景気が上向いているという実感はまだまだ感じられない状況ではないでしょうか。 国の三位一体改革による地方交付税等の削減を見てもわかるように、今までの、いわゆる国からの仕送りが減らされている状況にあり、地方公共団体も当然厳しい行財政運営が求められているわけです。今、盛んに報道されておりますが、北海道夕張市のような財政破綻を招いたことは、執行部、議会双方の責任であり、許されるものではないと考えます。 このことから、本市においては、本年2月に第5次行財政改革大綱及び行動計画を策定し、自主自立の行財政運営の確立に向けた取り組みを始めたところであり、計画に位置づけた事項を着実に実施することが必要不可欠であります。その中でも、補助金については交付金額の5%、約1億円の削減を目指して見直しに取り組み、現在までに補助金見直し指針を策定するとともに、個別補助金の方向性の案について取りまとめたと聞いております。 さまざまな市民活動を支援し、市民と協働でまちづくりを進めていく観点から、補助金の持つ意味は大きいものがありますが、現在の財政状況を考えますと、その見直しを図ることも重要であります。とかく総論賛成各論反対となり、成果を伴わない見直しとなりがちですが、そのようなことが許される状況にはないと考えます。 このような考え方を踏まえ、以下、何点かお伺いいたします。 まず1点目は、市民主体の活動を支えたり、政策を具現化するためにある程度の補助金は必要と考えますが、市の考え方をお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 補助金は、さまざまな団体の公的な活動を助長するため、その運営や事業に係る経費の一部として交付するほか、市の政策目標を達成する観点から、市民が支出する経費の一部として交付するものであり、市民と行政との協働によるまちづくりを進める上で、今後とも必要なものと認識しております。 ◆7番(小野邦弘君) 2点目は、補助金については、これまでにもさまざまな見直しがされてきたと思いますが、その内容をお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 補助金につきましては、これまで第3次の行財政改革において、見直しに関する基準を作成して点検を行ったほか、第4次行財政改革行動計画に個別の見直し項目として位置づけるとともに、行政評価システムを活用することなどにより、補助の廃止や金額の削減、補助基準や対象経費の適正化等に取り組んできたところであります。 具体的な見直しの内容について主なものを申し上げますと、森林組合林業経営指導補助金の廃止、納税組合奨励金の見直し、紙類分別事業報奨金の見直しなどが挙げられます。 ◆7番(小野邦弘君) 3点目は、今回の見直しは具体的削減目標を示していることから、削減ありきとの印象がありますが、どのような考え方で見直すのかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 市といたしましては、市民と行政との協働によるまちづくりを積極的に推進していく観点から、さまざまな市民活動への支援を強化するため、本年度、新たに、公募型のひと・まち元気創造事業補助金を創設するとともに、今後ともその拡充に努めることとしております。 その一方、きわめて厳しい行財政状況を踏まえ、これまで交付してまいりました補助金につきましては、その必要性や公益性などを検証し、性質や対象から類型化した上で、事業費補助については効率性・効果性を高めること、運営費補助については補助を受けている団体の自立を促進すること、一定の要件に該当するものを除き、一律的な削減を行うこと、段階的な実施など一定の配慮を行うことを基本的な考え方として見直しに取り組むこととしたところであります。 ◆7番(小野邦弘君) 4点目は、見直しの具体的な進め方についてお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 見直しに当たっての基本的な考え方を踏まえ、類型化の考え方、見直しの方向性や判断基準、実施時期等を整理した補助金見直し指針を策定するとともに、この視点に基づき、個別補助金ごとにその方向性を決定することといたしました。 これまで、素案の段階でパブリックコメントを実施するとともに、市議会議員の皆さまからいただいた御意見や市行財政改革推進市民委員会からいただいた御意見などを可能な限り反映させながら、指針を策定したところであります。また、当該指針に基づきまして、市行財政改善委員会幹事会や専門部会で協議・検討を行い、個別補助金の方向性の案を取りまとめたところであります。 今後におきましては、この案をもとに、関係団体との意見調整を行いながら、年度末までには最終的な方向性を決定してまいりたいと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 5点目は、指針の策定段階でパブリックコメントを実施したとのことですが、その際に寄せられた市民意見はどのようなものがあったのかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 補助金見直し指針の案に対しましては、27名の市民の皆さまから御意見をいただきました。その主なものを申し上げますと、厳しい市の財政状況を踏まえ、補助金の見直しはやむを得ないとした上で、10%以上の大幅な削減も念頭に置くべきであるとする御意見、透明性、公平性を高めるため、補助の交付期間に応じて削減率を決定すべきであるとする御意見のほか、個別補助金に対する配慮を求める御意見などであります。 ◆7番(小野邦弘君) 6点目は、個別補助金の見直しの方向性については、最終的に今後決定していくとのことですが、現時点における案としては、全体としてどのように整理されたのかお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 個別補助金の見直しの方向性につきましては、必要性や効果性、補助金の交付期間、対象団体の性格や運営状況等を勘案して取りまとめた判断基準をもとに、県内他市の状況を十分に考慮するほか、福祉、教育分野に特に意を用いながら、終了、現行、10%以上の削減、10%程度の削減、5%程度の削減の5段階に整理することといたしました。このうち、現段階において案として整理した内容を申し上げますと、186件中、終了としたものが33件、現行としたものが79件、10%以上の削減としたものが46件、10%程度の削減としたものが24件、5%程度の削減としたものが4件となっております。 ◆7番(小野邦弘君) 最後に、補助金を削減する場合、特に運営費補助については、これまで交付を受けてきた関係団体の理解が不可欠と考えますが、それら団体の意見はどのように聞いていくか、考えをお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 市といたしましても、補助金の見直しに当たりましては、これまで補助を受けてきた団体の御理解と御協力が必要であると認識しております。このため、所管部を通じ、指針案の段階で実施したパブリックコメントに合わせ、その内容を関係団体等に周知するとともに、現時点における個別補助金の見直しの方向性の案につきましても、各団体から御意見をいただくこととしたところであります。 今後におきましては、いただいた御意見をもとに、さらに調整を加え、関係団体の皆さまの御理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 先ほど答弁にありましたように、現時点で運営に係る補助金を受けている団体等については、将来に向け、可能な限り補助金に頼らない体制へ改善するなど、自立していくことが望ましいと考えますが、早急な対応ができない団体もあろうかと思います。 急激な見直しにより、各団体の運営、ひいては行政運営に支障が生じないよう、経過措置を設けるなどの配慮を行った上で、補助金の見直し自体は強い信念のもと積極的に進められるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、いわき市保存樹木・樹林制度についてであります。 今まさに地球の温暖化やオゾン層の破壊など、地球規模での環境問題が大きく取り上げられており、今世紀は、このような環境問題の解決が大きな課題となる、環境の世紀といってもよいのではないでしょうか。 人と自然が共生し、資源が循環するまちづくりを進め、自然を守り育てることが、私たち自身の、そして次の世代の豊かな暮らしを守ることにつながるものと確信するものであります。 さて、本市は、海あり山ありと、この豊かな自然環境をもとにさまざまな文化を育んでまいりました。この豊かな自然環境を保全し育成するため、本市では、昭和51年にいわき市緑の保護及び緑の育成に関する条例を制定し、緑に関する各種事業を展開しているところであります。この条例では、市における緑の保護と育成に関する基本方針を定めることや、保存樹木・樹林を指定すること及び環境緑化審議会を置くことなど、緑を保護し、育成することによって、安全で快適な生活環境の確保を図るための基本的なことが定められております。緑は、量の問題からゆとりや潤いといった質の問題が問われるなど、緑の役割は大きく変化し、その重要性も増しており、条例の適正な運用を期待するところであります。 条例で定めている緑の保護と育成に関する基本方針は、現在、いわき市緑の基本計画としてまとめられております。この計画はこれまでの計画を見直しされたもので、豊かな水と緑が調和する都市・いわきを基本理念のテーマに掲げ、市民、企業、行政が一体となって、本市の貴重な自然を保全するとともに活用を図り、地域ごとの特色を生かした快適な都市環境の形成を目指すものとなっております。 また、基本理念を具現化した将来像として、本市を構成する主な緑を、山間部の緑、まちの緑、河川・海岸・道路の緑、都市公園の緑に区分しております。さらに、その実現のためには、緑を守る、緑をつくる、緑を結ぶ、緑を育てるの4つの視点で基本的な方針がまとめられております。 今回、私は、この将来に向けた緑づくりを進めるためには、広く市民の理解と協力を得ることが何よりも大切なことと考え、緑を守る及び緑を育てるの2つの視点に着目し、保存樹木・樹林制度について、以下、質問いたします。 まず1点目は、保存樹木・樹林に指定する場合の基準はどのようなものかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 保存樹木・樹林の指定基準につきましては、保存樹木では、1.5メートルの高さにおける幹周りが1m以上であること、樹木の高さが10メートル以上であること、株立ちした樹木で高さが2.5メートル以上であることなどに該当し、健全で、かつ美観上特に優れていることとしております。 また、保存樹林については、樹林面積が300平方メートル以上であること、生け垣においては、長さが30メートル以上であることに該当し、それらに属する樹木が健全で、かつ、美観上特にすぐれていることとしております。 ◆7番(小野邦弘君) 2点目は、現在の保存樹木・樹林の指定状況はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 保存樹木・樹林の指定につきましては、現在、保存樹木として69件、保存樹林として16件の合計85件が指定されております。 ◆7番(小野邦弘君) 保存樹木・樹林合わせて85件が現在指定されているということですが、学校や公園にも立派な木があると思います。公共施設の樹木等は指定されているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 公共施設の樹木等につきましては、管理者である国または地方公共団体により適正に保全・管理がなされているため、保存樹木・樹林制度の指定対象外としているものであります。 ◆7番(小野邦弘君) 3点目は、指定された保存樹木・樹林を適正に管理していくことは非常に重要でありますが、その管理についてどのようにしているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 保存樹木・樹林の管理につきましては、所有者が立ち枯れの防止や保全に努めることとなりますが、市においては、管理の充実を図るため、年1回の現地調査を行い、樹勢の確認を行うとともに、保存にかかる費用の一部として、保存樹木に対し1件当たり年2,000円、保存樹林に対しては、1件当たり年5,000円及び1平方メートル当たり1円の助成金を交付しております。 また、剪定や病害虫の駆除及び樹勢が衰えた場合の樹木の診断や、土壌改良等に対し、費用の一部を助成し、保存樹木・樹林の保全に努めているところであります。 ◆7番(小野邦弘君) 4点目は、指定した当時の保存樹木・樹林は、時がたつにつれ病気になったり、災害の影響を受けたりすることもあると思いますが、そうした場合、よりよい状況で保存するために、樹木の専門家である樹木医の診断を仰ぐことも有効であると思いますが、樹木医をどのように活用しているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 樹木の診断及び治療等の専門家である樹木医の活用につきましては、市において、保存樹木・樹林の樹勢の衰えが確認され、樹木の診断が必要となった場合、その樹勢回復策の検討を依頼するなど、保存樹木・樹林の保全に努めているところであります。 ◆7番(小野邦弘君) 5点目は、指定後において、枯死等により保存樹木・樹林が減少することや、新規の発見等により保存樹木・樹林に指定した方がよい樹木などもあらわれると思いますが、新規指定の条件についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 保存樹木・樹林の新規指定につきましては、去る10月、環境緑化審議会において樹木6件、樹林9件の合計15件の答申をいただいたところであります。 市はこの答申を踏まえ、指定基準適合の再確認と、樹木等の所有者に指定に関する同意を得た時点において、いわき市緑の保護及び緑の育成に関する条例に基づき、公告により公表する予定となっております。 ◆7番(小野邦弘君) 今回、新規指定に当たって環境緑化審議会を開催しているということですが、環境緑化審議会での主な意見とはどのようなものかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 主な意見といたしましては、1つに、より多くの樹木を指定できる緩やかな指定基準への見直しの検討、2つに、適正な管理が可能となるように、助成金のアップや適正管理に関するアドバイスの充実、3つに、保存樹木・樹林の指定候補を募集するに当たり、市民の自主的な参加や協力を一層推進する仕組みづくり、4つに、学校における総合的な学習時間を活用した保存樹木・樹林の役割や意義の周知などが主な意見となっております。 ◆7番(小野邦弘君) 最後の質問ですが、保存樹木・樹林制度について、広く市民の理解と協力を得るためにも、もっとこの制度を積極的に活用すべきであると考えますが、その対策をどのように考えているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 保存樹木・樹林制度の積極的な活用方策につきましては、制度の積極的なPRとともに、所有者に対する保存に関する周知、パンフレットの配布、ホームページへの掲載、さらには現地見学会等により、市民一人一人が緑について関心を持ち続ける仕組みづくりが重要であると考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 今回、本市の豊かな自然環境を保存するという観点から、その施策の一部について質問させていただきましたが、執行部におかれましては、条例の適正な運用といわき市緑の基本計画の具現化に努め、緑豊かで潤いのある、そして緑が景観の大きな要素となるようなまちづくりを積極的に進めていただくことをお願い申し上げ、この質問を終わります。 次に、大きな質問の4番目は、(仮称)市総合型図書館整備事業についてであります。 いわき駅前再開発ビルのオープン予定の1年前となり、先月20日、再開発ビルの4階、5階に整備される(仮称)市総合型図書館の管理運営等の方針が公表されました。これまで平成14年3月の(仮称)市総合型図書館整備検討懇談会からの提言等に基づき、整備内容の検討を行い、整理された結果と聞いております。 さて、図書館は、図書館法において、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設と規定されており、図書館を通して新たな知識を得て教養を高めること、健康や福祉や趣味など豊かな暮らしに役立つこと、ビジネスや政策策定を進める上での助けになることなど、図書館はいろいろな世代の方にとって役に立つ大切な施設であると考えております。 特に、子供たちにとって、図書館は非常に大切な施設ではないでしょうか。市では10カ月児からブックスタート事業を展開しておりますが、子供は図書からさまざまな影響を受けます。図書と触れ合うことによって、子供は言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かにします。そして、生きる力につながっていくのではないでしょうか。 (仮称)市総合型図書館は来年の秋にオープンの予定でありますが、大変大きな費用がかかる施設でもあることから、子供たちを初め多くの方々に利用していただくことが何よりも大切なことだと考えております。 このようなことを踏まえ、質問したいと思います。 まず1点目は、管理運営体制についてであります。 公表された内容は、図書館の主な業務のうち、資料収集・選書、高度なレファレンス、事業等の企画・計画的な推進等に関する業務、全市的な図書館運営の基本理念や長期ビジョンの策定等に関する業務、国・県・市町村図書館や関係機関、団体等との連携推進等に関する業務などについては、図書館の中枢となる業務であり、市が責任をもって取り組む必要があることから直営で行い、図書の貸し出し、返却等のカウンター業務など、定型的な業務については、行財政改革との整合を図る観点から業務委託を行うとするものでありました。私としても、図書館業務における指定管理者制度の導入の検証がはっきりしていない現時点においては、一番よい方法ではないかと考えるところでありますが、質問いたします。 中核市の図書館の管理運営体制はどのような状況になっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 中核市35市のうち、管理運営すべてを直営で行っている市が25市、カウンター業務等について一部委託を行っている市が10市となっております。 ◆7番(小野邦弘君) カウンター業務等を委託する相手は、どのような業者が考えられるのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 既にカウンター業務等を委託している自治体の例で申し上げますと、図書館の運営にノウハウを有する業者や人材派遣業者が、地元の司書の資格を有する者などを採用して業務を請け負っておりますことから、今後、これらを参考に検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 現在、図書館業務で委託している業務があるのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 現在、図書館業務のうち、定型的な業務であります市内6図書館の蔵書連携に対応するための図書館巡回車資料等配送業務、及び図書館に直接おいでになることができない方などのための移動図書館車運転管理業務を民間業者に委託してございます。 ◆7番(小野邦弘君) 2点目は、開館時間と休館日についてであります。 (仮称)市総合型図書館の開館時間及び休館日については、夜間開館、祝・休日開館など、利用者の利便性を考慮した開館時間、休館日を設定するとの市総合型図書館整備検討懇談会からの提言や、先進他市の状況を踏まえ、開館時間、開館日数、それぞれ拡大されました。開館時間は、平日と土曜日は午前10時から午後9時までと、現行より2時間延長されました。また、休館日については、現行が、月曜日、祝日、月の第三日曜日、特別整理期間14日間、12月28日から1月4日までに対して、今後は、特別整理期間14日以内、1月1日、図書整理日年間12日のみとし、開館日数にすると、1年365日のうち、現行の271日に対し、今後は338日と67日の増となりました。このことは大いに評価するものであります。 それでは、中核市の図書館の開館時間はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 中核市35市の図書館の平均開館時間でございますが、平日では9.5時間となっており、土曜・日曜日は平日より1時間半程度短く、約8時間となっております。 ◆7番(小野邦弘君) 中核市の図書館の休館日はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 中核市の図書館においては、ほとんどが毎週1回のほか、月1回、年末年始等に休館日を設けている状況にあります。 ◆7番(小野邦弘君) 3点目は、館長についてお伺いいたします。館長について市職員を登用することとした理由は何かお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) (仮称)市総合型図書館の館長につきましては、本市の行政や地域の実情等に精通している者、各種ニーズに対してバランスよく対応できる者、市民の皆さまのニーズを把握し、サービスを企画・立案し、市民、議会、行政等に説明責任を果たす能力を有する者が適切であり、市職員を登用することとしたものでございます。 ◆7番(小野邦弘君) 職階はどのクラスになるのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 館長は、1つには、図書館を代表し、市民の皆さまや議会への説明責任を果たすことが求められるなど、図書館運営において重要な役割を担うこと、2つには、施設機能の規模拡大等に伴い、職務権限がこれまで以上に拡大することが予定されることなどから、これらに対応できる職階の者を登用することが重要であると考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 中核市の図書館における館長の配置はどのような状況になっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 中核市35市のうち、秋田市を除く34市が行政職または行政職経験者を配置してございます。 ◆7番(小野邦弘君) 4点目は、アドバイザーについてお伺いいたします。館長を支え、図書館運営のために専門的な立場で助言をいただくためアドバイザーを設置するとのことですが、アドバイザーには具体的にどのようなことをしてもらう考えなのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) アドバイザーには、図書館運営に関する先進的な取り組みを実施している事例、市民等のニーズを踏まえた事業・サービス面の企画、ボランティア等市民参画による事業運営など、多岐にわたる情報や業務内容等について、専門的な立場で助言、指導、提案等を行っていただき、館長をサポートしていただく考えでございます。 ◆7番(小野邦弘君) アドバイザーにはどのような人を考えているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 図書館情報学等の図書館に関する専門的な知識を有する方、地域の歴史・文化等、市内の実情に精通した方、図書館運営の実務経験を有する方などを想定しております。 ◆7番(小野邦弘君) 人数は何人ぐらい考えているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 人数につきましては、ただいま御答弁申し上げました分野の方々の中から、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 5点目は、図書館の名称についてであります。図書館を運営していく場合、名称も大切であると考えることから何点かお伺いいたします。名称の決定方法はどのようにする考えなのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 図書館は図書館法に基づく社会教育施設であり、また、図書館という名称が施設の概要等を端的にあらわしており、さらには、市民の間に広く浸透している名称であるものと認識しております。このような基本的な考え方に基づき、同様の性質を有する小・中学校や公民館等の例を踏まえ、公募等は行わず決定してまいりたいと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) (仮称)市総合型図書館の供用開始に伴い、現在の中央図書館は閉館となります。私は、新しい図書館についても、中央図書館という名称がこれまでも使ってきたこともあり、一番わかりやすくてよいのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 図書館の名称検討に当たりましては、市民の皆さまにわかりやすいものであること、広く浸透していることなどが肝要であると考えており、中央図書館もふさわしい名称の1つであると考えております。 ◆7番(小野邦弘君) 図書館の愛称ということについてはどのように考えているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 施設の性格上、図書館という呼び方が一番わかりやすいこと、また、現在、駅前再開発ビルの名称を公募しており、これらとの混同により紛らわしくなることが懸念されることなどから、現時点におきましては図書館の愛称は必要ないものと考えております。 ◆7番(小野邦弘君) これまで管理運営等についていろいろお伺いしてまいりましたが、だれもが利用しやすい施設で、また何度も来たくなるような施設づくりに今後もしっかりと取り組んでいただくよう要望して、次の質問に移ります。 大きな質問の5番目として、いじめについてお伺いいたします。 全国的にいじめによる児童・生徒の自殺が相次いだことを受け、県教育委員会が県内すべての公立幼稚園や小・中学校等で実施した緊急のいじめ実態調査では、子供がいじめと感じているケースが本年度で595件に上り、これまで3年連続で全国最低件数だったものが、一転して大幅な増加となったとのことであります。この問題に関しては、政府の教育再生会議において、いじめ問題への緊急提言が公表され、いじめをした子供に対する指導、懲戒の基準を明確にし、学校に対して毅然とした対応を求め、いじめを見て見ぬふりをする者も加害者であることを児童・生徒に徹底して指導するよう促しており、また、いじめに加担したり、放置、助長した教員に対する懲戒処分についても言及するなど、かなり踏み込んだ内容になっていると思われます。 本市では、過去にいじめによる痛ましい事件が発生し、二度と繰り返さないということでいじめ対策に取り組んできていると認識しております。すべての児童・生徒にとって、安心、安全で楽しい場所が学校であり、保護者にとっても子供が学校で安心して楽しく過ごし、笑顔で帰宅するのが何より重要なことと言えるのではないでしょうか。 そこで、本市のいじめ対策について、以下、何点かお伺いいたします。 1点目は、いじめには、相手を無視したり、物を隠したり、相手が嫌がる言動をとったりすることがあると思いますが、いじめとはどのようなものなのか改めてお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) いじめにつきまして固定的な文章表現はございませんが、一般的に教育関係機関、あるいは有識者等が使っておることを集約いたしますと、自分より弱いものに対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもので、起こった場所は学校の内外を問わないと、そのようなことになろうかと思います。 ◆7番(小野邦弘君) 2点目は、先ごろ文部科学省の通知により、全小・中学校でいじめの調査を、いじめに関するアンケートも実施したと聞いておりますが、その結果として、本市の小・中学校のいじめの件数についてお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま御指摘のように、文部科学省が緊急に行いました11月2日現在の調査は、いじめの兆候をいち早くとらえるものでございまして、これまでのものより幅広くとらえたもので、意地悪や嫌がらせ等の級友間のトラブル等を含めて、小学校21件、中学校59件の報告がありました。各学校におきましては、深刻ないじめに発展しないよう誠意をもって対応しているところでございます。 ◆7番(小野邦弘君) 3点目は、同じく文部科学省より、いじめ問題への取り組みについてのチェックポイントが示され、それをもとに各学校でいじめに対する指導のあり方やいじめの早期発見について再確認しているところとは思いますが、いじめの防止について各小・中学校でどのような対策を行っているのかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 各学校におきましては、どの学校にも、どの児童・生徒にもいじめはあるとの認識を持ち、全教職員が子供とのふれあいを多くし、子供の変化やサインを見逃すことのないよう配慮しているところであります。また、悩み事調査や教育相談の実施、スクールカウンセラーや養護教諭などとの情報交換を密にいたしまして、迅速に情報を把握して、いじめの防止に対応しているところであります。 ◆7番(小野邦弘君) 4点目として、冒頭で述べたように、教育再生会議の緊急提言を受け、本市としてはいじめ対策をどのように行っているのかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 本市におきましては、先ほど議員御指摘のように、過去におきまして大変痛ましい事例がございました。その経験から、他市に先駆けていじめ問題に取り組んでおりまして、平成9年には、市長を本部長にいじめのない・子どもが輝くまちづくり推進本部会議を設置し、いじめの根絶のための対応や、児童・生徒からいじめ根絶の作品を募集いたしまして、いじめは許さないという心を育てる活動を行っております。 また、県教育委員会作成のふくしま子ども憲章を全小・中学校の児童・生徒に配布いたしまして、さらには、先ほど御指摘の教育再生会議の緊急提言を受けまして、これまでのいじめ問題の指導資料の見直しを図り、改めて全小・中学校に配布するなど、校長会とのいじめ問題に対する協議を行い、さらなる指導の徹底を図ったところであります。 ◆7番(小野邦弘君) いじめのない・子どもが輝くまちづくり推進本部会議ではどのような活動を行ってきたのかお伺いいたします。
    ◎教育長(砂子田敦博君) いじめのない・子供が輝くまちづくり推進本部会議におきましては、先ほども申し上げましたように、市長を本部長に、大学教授、市PTA連絡協議会、市青少年育成市民会議、民生児童委員、市少年補導委員連絡協議会など、各関係団体の中から推薦されました16名で構成しております。会議は年2回開催されますが、学校で児童・生徒の授業を参観したり、いじめ問題への対応などについて協議を重ね、また、いじめ根絶を目指して、市内の児童・生徒から、いじめ根絶の作文、標語、ポスターを募集し、作品集やポスターを作成し、市内全小・中学校へ配布し、児童・生徒のいじめ根絶への意志高揚を図っておるところであります。 ◆7番(小野邦弘君) 最後に、いじめが起きてからの対応ばかりでなく、いじめが起きないようにすることが我々大人の責任ではないかと考えます。そこで、いじめをなくすためには、児童・生徒に対してどのような指導援助を行っているのかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 各学校におきましては、児童・生徒からいじめの情報のキャッチはもちろん、いじめられている児童・生徒を絶対に守るという立場に立ちまして、学校が安全な場所であることを理解させるよう努力をしております。また、いじめは許されないことであるということを全教育活動の中で指導し、思いやりの心や正義心の育成に取り組んでいるところであります。 ◆7番(小野邦弘君) 私たちが子供のころもいじめがあったと思いますが、現在のようには社会問題化してはいなかったと思います。たとえ学校などでけんかをしても、家に帰れば母親がいて、その顔を見ただけで安心できましたし、近所にも同世代の友達がたくさんいて、遊んでいるうちに嫌なことは忘れてしまう、そんな時代であったと思います。現代社会は核家族化、少子化、共働き世帯の増加、テレビゲームの普及などとあわせて、家庭や地域の絆が弱くなっているとも言われ、私たちが子供のころと比べると、今の子供たちは孤立化しやすい社会になっているのかもしれません。現代社会のさまざまなひずみにより子供たちが傷つき、その結果としていじめ問題が発生しているのではないか。そうであれば、本質的な解決は困難で、対症療法的な対策にならざるを得ないと考えるのは私だけでしょうか。 いずれにしろ、将来を担うべき子供たちがいじめにより傷つき、みずから命を絶つことはまことに痛ましい現象であり、私たち大人の責任で何としても防がなくてはなりません。私は、いじめを防止するためには、まず、子供たちに命の大切さ、他人をいたわる気持ちを持つこととあわせて、大人の社会で許されない行為は、子供の社会であっても許すことはできないことなのだとしっかり認識してもらうことが重要だと考えております。 ともすれば、いじめ問題は、発生現場となっている学校において、子供たちと向き合っている教師に大半の責任を押しつける傾向にあると感じておりますが、学校だけで解決するのには限界があることは明らかですので、本市で進めているいじめのない・子どもが輝くまちづくり推進本部会議をさらに充実強化するなど、家庭、学校、地域が一体となって取り組めるような体制作りを要望し、私のすべての質問を終わります。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後2時40分まで休憩いたします。            午後2時07分 休憩           ------------            午後2時40分 開議 △古市三久君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。23番古市三久君。          〔23番古市三久君第二演壇に登壇〕 ◆23番(古市三久君) (拍手)古市三久です。創和会から創世会と名前を変えました。私たちは、去る11月28日に5名で新しい会派を結成いたしました。今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。 最初に、病院事業について質問いたしますが、今、市立病院部では改革に向けていろいろ作業を進めているわけですが、本当に地方公営企業法の全適を今果たしてすべきなのか、すべきでないのか、こうした病院を取り巻く非常に厳しい状況の中で、果たして全適がいいのかどうなのか、もう一度やはり立ち止まって考えていかなければならないこともあるのではないかと考えているところです。挙げて、医師不足、そして看護師不足、こういう状況になっているわけでございまして、非常に市民の医療の問題を考えるときに、懸念を抱いているのは私だけではないと思います。 そこで、診療報酬の改定について幾つか質問したいと思いますが、4月の診療報酬改定によって看護師の配置基準が変わりまして、看護師の争奪戦が熾烈に繰り広げられていると言われています。看護師を手厚く配置すれば、診療報酬が上がって収益がアップするということで、東北大学病院では募集を繰り返して、10月30日に第4次募集をしたということをマスコミは報道しております。ことし4月の改定は、入院患者7人に対して看護師1人の配置、この基準をクリアすれば、病院に支払われる入院基本料が2割アップするわけです。増収という動機づけで病院に看護師の増員を促して、医療の質の充実と在院日数を減らすと、そして医療費の抑制を進めることが狙いだと言われているわけです。だが、大半の病院は看護師の人員確保に四苦八苦しているというのが実態だと言われております。 9月議会において、高橋明子議員が、診療報酬改定による新基準における看護師の必要数について当局から答弁をいただきましたが、運用病床数766に対して102名が必要だと答弁しているわけです。これは、7対1にすれば、簡単に補充できる数値ではないと思っています。 そこで、看護師を充足して新基準になったと仮定して、共立病院の収益はどの程度になるのかお尋ねしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院における本年4月1日現在の一般病床605床について申し上げますが、7対1の看護配置とした場合の推計で申し上げますと、まず収入につきましては、本年4月から10月までの月平均患者数をもとに試算した場合で、この10対1の看護配置の場合と比較しまして、年間で約5億9,000万円の増収となります。 一方、費用につきましては、7対1看護の際に増員が必要となりますので、看護師102名分の人件費の年間給与費を、仮に全員が新規採用職員としての水準で試算しますと、年間約4億3,000万円の増となります。また、平成17年度の総合磐城共立病院の看護師の年間給与費の平均額をもとに推計しますと、年間で約7億円の増となるなど、具体の職員の年齢構成や配置人員等の人件費のとらえ方によりまして、増収であっても減益になる場合もありますことから、直ちに結論づけることは困難な面がございます。 ◆23番(古市三久君) 確かに人件費のとらえ方でいろいろ変わってくるかと思うんですが、東京大学病院は、来春の7人達成に向けて病院を挙げて最重要課題と位置づけて看護師を募集していると。基準達成で年間9億7,800万円の増収だと。人件費など差し引いても7,500万円の利益増になると言われているわけです。 こういうことで、全国的に看護師の争奪戦といいますか引っ張り合いをしているわけですが、共立病院としては、新基準を導入する予定についてどのようにお考えなのかお尋ねしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院は、地域医療の面におきまして、今後、将来に向けて、いわゆる急性期医療の提供を中心とした役割を担っていくことが求められておりますことから、患者さんに対し、より手厚い看護を提供できるようにする見地から、7対1看護を検討していくことが必要となってくるものと考えております。 一方、7対1看護の導入に当たりましては、看護師の相当数の増員が前提となりますことから、今後、看護配置基準等に係る診療報酬の見直しの動向や、地域の医療機関における看護師の需給動向等にも十分に配慮するとともに、今後の市立病院事業改革の取り組みの中で、中・長期的な収支状況両面を見定めながら、(仮称)市病院事業中期経営計画への位置づけを含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) これから検討するということですが、今、こうした社会的な状況を踏まえて、看護師の配置を手厚くするだけで増益になるのは問題だということも言われておりまして、一部病院への過度の看護師集中を避けるために、新基準の見直しを検討する可能性も出てきているとも言われているわけです。しかし、共立病院あるいは常磐病院の現状を考えると、増収増益に向けて何としてもやっていかなくてはならない課題だと思うんです。ですから、そうしたことを見きわめながら、早急な政策展開が必要だと思いますので、それについてはぜひ御検討いただきたいと思います。 そこで、現状は10対1の基準で運営しているわけです。その10対1の基準の中で、今、看護師については不足なのか充足しているのか、その辺についての御見解はいかがでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 現行の10対1看護の看護師の配置で、両病院におきましては、現時点におきましては決して余裕はございませんが、最大限努力をして、現在診療活動を行っている状況にございます。 ◆23番(古市三久君) あいまいな答弁だと思うんですが。今回の診療報酬の改定は、平均在院日数の短縮とか医療の安全確保、それから看護師職員の労働改善、そういう理由で、この入院基本料の見直しを行って、入院基本料の算定に当たって看護師1人当たりの平均夜勤勤務時間を72時間以下にすることが前提とされていますが、共立病院の現状はどうでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 共立の看護師の夜勤の具体の数値、時間というものは手元にございませんが、今回の改正の趣旨にかんがみまして、医療の重要な人的資源でありますこれら看護師が、そういう労働過剰、過密な状況にならないように、院内の体制を将来に向けてきちっと確立していく必要があると強く認識してございます。 ◆23番(古市三久君) よくわからないということについては資料がないということだと思いますが、共立病院の看護師の配置状況について、2006年5月の組合の資料によれば、夜勤の回数が多いと思われるのは特殊病棟と西3小児科、東5、東8、西5など。これだけで慢性的な看護師不足だという実態ではないと思いますが、かなり厳しい勤務実態にあると思われるわけです。また、医療技術の高度化、それから近年の医学・医療の進歩、発展に伴う高度化・専門化、これに十分対応し得る看護の専門的知識、技術、豊かな人間性、的確な判断が求められると言われています。 そういうわけで、研修が非常に大事だということだと思うんです。しかし、時間内に研修を行う余裕がないという実態もあるようです。それから、有給休暇もなかなかとれない。交代時にサービス残業もしなければならない。そういう実態が指摘されております。 これでは、市民が安心、安全な医療が望めないというようなことだと思います。これは、すぐれて看護師不足から起因されるものだと思いますが、共立病院の中で、育児休業とか長期休業とかそういうときから復帰するとき、リハビリとか研修というのはどのように行われているのか。もしわかればお答えいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 個々の詳細、実態については掌握しかねる部分もございますが、現場からの話、看護部長のお話を総合して申し上げますと、そういった長期療養休暇、あるいは産休明けの勤務の指定、あるいは交代制勤務のシフトにつきましては、一定の経過措置期間的な取り扱いをしまして、徐々に慣れていただくように看護師配置については努めていると報告を承っております。 ◆23番(古市三久君) 次に、7対1を導入するために、常磐病院の看護師を大量にシフトするという考えはあるのかということですが、この新基準を導入するためには100名の看護師を手配しなければならないわけです。常磐病院の看護師をシフトするという考えで、看護師の採用を見合わせているのかどうかわかりませんが、その辺の御見解をいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院につきましては、平成19年4月から1市1病院2施設として総合磐城共立病院を本院に、常磐病院を分院として組織・機構の一体化を図りまして、両病院の役割・機能の整理を進める予定であります。看護師の配置につきましても、それぞれが担うべき機能等の整理の中で検討していく考えであります。 仮に、総合磐城共立病院において7対1看護を導入する際には、現在の病床数で試算いたしますと、議員もお触れになりましたとおり、約100人の看護師の増員が必要となりますが、その手法につきましては、職員の新規採用とともに、常磐病院からの看護師の異動等を含むさまざまな方法等について、今後の病院全体の看護体制の整備の中で検討を深めてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 常磐病院はこれまで地域の医療のカバーをしてきたと。しかしながら、大幅な累積赤字を計上していると。待ったなしの改革が迫られていると思うんです。政策的な医療の提供とか構造的な問題もあって、病院だけに責任を転嫁することにはならないかと思いますが、しかしながら、当局あるいは議会などは、これまで病院の根幹的なところに非常にアンタッチャブルだったんではないかと思います。 市は平成7年、市立病院事業のあり方についての基本方針を策定して、この中で1市1病院について示しているわけですが、具体的な方針はその後も策定されず今日まで来ているわけです。そういう中で常磐病院は破綻に瀕している。つまり、現金が不足して、資金繰りができなければ倒産という状態です。そこまで追い詰められているわけなので、早急に常磐病院のあり方を検討して、3年以内に改革を終了しなければ、新たな負担増が生まれることはまた明らかだと思うんです。 したがって、これはもちろん利用者の市民の声を聞かなければなりませんが、外来のプライマリーケア、初期医療程度にシフトなどをするなど、早急に検討していかなければならないと思うんですが、きょうは病院改革については私の質問項目に入っておりませんのでこの程度にしておきますけれども、そういうことをやはりきちっとやっていかなければならないのではないかということを、意見として申し上げておきたいと思います。 次に、看護学院と看護師の募集についてですが、御承知のように、診療報酬の改定によって、より一層看護師が不足しているわけです。本市の共立病院には附属看護学院があって、優秀な看護師をこれまで輩出して、それによって、共立病院を初め市内における医療現場において、医師とともに市民のために最良の医療の提供に寄与してきたと思うんです。 私は以前にも、看護師の不足に対する対策と団塊の世代の退職への対策を求めてきました。今年度の看護師募集は32名で、応募者は、9月議会の総務部長の答弁によれば51名。受験者は44名。倍率は1.4倍。共立看護学院からの受験者は12名で、合格者は6名ということになっているわけです。今年度の募集は32名ということで、昨年とか一昨年に比べると従来の数に戻ったという感じがしますが、先ほど部長はあいまいな答弁をいたしましたが、それでも看護師は、実態は私は不足していると思うんです。1人の看護師を養成する市の負担は、市立病院部の試算によると470万円。このほか計算に入らない費用もあるかと思いますが、これだけの費用を費やして人材を育成しているわけです。 そこで、もっと募集人員をふやして、この看護学院の卒業者を優先的に採用してはどうかと思うんですが、その辺の御見解はいかがでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院の看護師の採用に当たりましては、退職者数の補充や育児休業者等長期休暇者対応分を見込みますとともに、年度間の見通しに基づく看護体制等を勘案しまして、いわゆる競争試験の方法により必要数を採用してきているところであります。 一方、看護師につきましては、平成21年度以降、定年退職者が急増することから、看護師確保は重要な課題であると認識しておりますので、医療の質の向上と病院経営の採算性等を勘案しながらも、学院における日ごろの講義や看護学習、実習あるいは卒業後の進路相談などを通じまして、当該看護学院が総合磐城共立病院の附属施設であるという趣旨や、地域の医療に果たすべき役割などが十分に理解されますように努めることとし、学院生の市立病院への進路選択意識の高揚にもつなげてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 看護学院の歩みという中には、昭和55年度の入学生から、市内の医療機関に相当数開放して、さらに全定数を開放して今日に至っているということになっています。ですから、以前は共立病院で相当数受け入れていたと思うんですが、そういうことがやはり今必要な時期に来ているのではないかということを申し上げておきたいと思います。 聞くところによると、卒業生に共立病院に入りたいという希望者が少ないといいますか、入りたくないんだという声もあります。ここにも病院の問題点を垣間見ることができるんではないかと思うんですが、一般的には、看護学院の卒業生が共立病院で働いてみたいという気持ちになるのが普通であって、いや、ちょっとやめたいというのは異常だということだと思うんです。 そういう意味では、ここにもメスを入れなければならないと思うんですが、日本看護協会の調査では、新人看護師の半数以上が就職2カ月以内で夜勤を開始していて、医療内容が高度化・専門化する中で、基礎教育終了時点での能力と看護現場の求める能力のギャップが大きくて、1年以内に離職する新人看護師の割合も9.3%となっていると言われております。ですから、学校で習ったことと現場との乖離が非常に高いというのも実態だと思うんです。 そこで、共立病院における新人看護師の夜勤開始は、就職後何カ月後ぐらいから行われているのかお伺いしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 新規採用の看護師につきましては、採用後、4月は常に専任の先輩看護師と行動をともにしまして日勤のみに従事しております。夜勤には5月から従事することとなりますが、夜勤の業務の特性にかんがみまして、5月、6月の2カ月間につきましては、専任の先輩看護師と常に行動をともにし夜勤を行っているところでございます。 ◆23番(古市三久君) 先輩が付き添って研修しているということですが、回数はどのくらいでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) このケースにおきます具体の回数につきましては、現時点では承知してございません。 ◆23番(古市三久君) 後で教えていただきたいと思うんですが、全国的な平均的な回数を言いますと、2.5回ぐらいで夜勤に入っていると。そういうことで、非常に厳しい実態にあるんだと言われておりますので、共立病院では、その研修についてもしっかりとやっていただくということになるかと思うんですが、それにはやはり看護師をふやさないとできないと思うんです。ですから、来年はこの倍ぐらいの募集をしていただきたいということを御意見として申し上げまして、次の質問をしたいと思います。 次の大きな質問は、官製談合防止についてですが、福島県、和歌山県、宮崎県の談合事件で相次いで知事が逮捕されたと。官製談合防止法、入札談合等関与行為への排除及び防止に関する法律が平成14年7月に成立しました。この法律が生まれる背景は、平成12年5月15日、公取委が排除勧告を行った北海道上川支庁発注の農業土木工事において、発注者が受注者をあらかじめ指定していたことが認められて、公取委が北海道に改善要請を行ったということがあってこの法律が生まれたということになっています。しかし、この法律は、御承知のように談合を抑止するには不十分であって、いまだに談合が続いているわけです。今国会で、罰則がなかったのを罰則規定を盛り込みました。これで何とか法律として一人前になったのかなという感じはしますが、それでも不十分だと思います。 官製談合とは、公共工事の入札を行う官公庁の職員らが、落札業者を指定したり予定価格を漏らしたりして入札に関与することをいうとなっています。したがって、役所の役人が一体的に入札をするということになっています。その背景には、公務員の天下り、建設業界に天下ったOBが、現役の役所の職員と癒着して談合しているということが指摘されているわけです。 そこで、この福島県でもいろいろ問題になりました。市は、官製談合防止策についてどのように御検討なされているのかお伺いしたいと思います。 ◎財政部長(陸川克己君) 国及び地方公共団体などの発注機関の職員が、受注者である民間事業者側の入札談合に関与する、いわゆる官製談合が発生する要因としては、発注者側があらかじめ受注予定者を決定または誘導し、あるいは予定価格などの入札関連の秘密の情報を漏洩したような場合などの例が報告されております。 市では、公共事業の発注に際しましては、合議制や公表制度を導入しながら、恣意性が働きにくいという入札システムの構築に努めているところでございますけれども、引き続き、これらの防止策の強化に取り組むとともに、職員に対しても自覚と責任をもって厳正に対処するよう指導してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) いろいろなことをやっているということですけれども、実態的には全く変わっていないと思うんです。ですから、もう検討する時期は過ぎたと思うんです。何をどのようにいつまでに改革するのかということが問われているわけで、そういうことをぜひ明らかにしてやっていただきたいと思います。 次に、官と政治が関与できない仕組み。発注機関職員の関与防止は、役所の入札において、公正かつ自由な競争を促進するだけではなくて、発注機関の予算執行の適正化、さらには政官業三者の口きき問題にも関連するということが言われています。これはそういう意味では多面的に根深い問題だと。日本の文化でなかなか直らないことだとも言われているわけです。 談合を防止するという意味でも、この口きき人物の公表、内部告発制度の導入、こういうことを導入している都道府県、あるいは市町村がございますが、市としても、こういうことについてしっかりと今後取り組んでいかなくてはならないと思いますが、御見解はいかがでしょうか。 ◎財政部長(陸川克己君) 官製談合防止の観点からは、入札・契約業務、それから、その関連業務について関係者からの働きかけ、いわゆる口ききがあった場合、あるいは職員の内部通報など、違法行為などに対する職員の対応につきましては、市としては現在、統一した取り扱いにはなってございませんので、そういった意味で、統一した取り扱いが必要であるとも考えておりますことから、今後、検討してまいりたいと考えてございます。 ◆23番(古市三久君) コンプライアンス条例ということで制定しているところがあります。これは、市のあらゆる業務に対してそうした問題を明らかにすると、公表するということですが、宮城県は、この契約業務に関する働きかけ対応要領といいますか、それだけに絞ってやっているわけです。だから、コンプライアンス条例を制定すると、市会議員が失業しちゃうなどと言われるということもありますので、当面、契約業務に関する働きかけ対応要領、この宮城方式ということを採用・検討してはどうかということですがいかがでしょうか。 ◎財政部長(陸川克己君) ただいま議員御指摘の宮城県の対応要領、また、県の方でも、現在、検討委員会の中間報告でも、それらの対応、制度化についてする方向、これはまだ中間報告の段階でございますので、それらの動向なども見ながら検討してまいりたいと考えてございます。 ◆23番(古市三久君) 県を見ながらということですが、市は独自の自治体なので、市の独自の見解でそういうことについて決めていただきたい。相生市では、条例にすると議員に否決されるということで要綱にしたらしいんですが、そういうことも十分に検討してやっていただきたいと思います。 それから、天下りについてですが、この官製談合で天下りが大きな影響力を発揮していると。本市も建設業協同組合から要請されて職員を紹介していると。まさに天下りが行われているわけです。県の談合問題は、建設業協会が入札に参加する共同企業体、JVを決めていたと、東京地検の聴取に対して地元の複数の業者が供述をしているように、協会が組織的に談合に関与していることが明らかになったわけです。 これは、裁判の中でも今後明らかになると思うんですが、市には、利害を伴う業者等との交渉等の職務に従事するいわき市職員の服務に関する規程、平成15年6月1日施行。これの第5条に、退職後の再就職の心得として、職員は、離職後3年間は、その離職前5年間に在職していた際従事していた職務と密接な関係にある営利企業等の業務に従事し、又は当該営利企業等以外の営利企業等で、市への営業活動を行う業務に従事することを避けるよう努めるものとするとあります。これを厳格に適用するかどうかは意見のあるところなので、私もどうかと思う点があります。 しかしながら、市は、組合から要請されて紹介しているということがあるわけですが、疑いを持たれるようなところへの天下りはやめるべきではないかと思いますがいかがですか。 ◎総務部長(猪狩正利君) いわき市建設業協同組合は、組合員の相互扶助の精神に基づいて、組合員のために必要な共同事業を行い、公正な経済活動の機会の確保や自主的な経済活動を促進することなどを目的に、中小企業等協同組合法によりまして設立が認可された公共的な団体でありますけれども、このような設立目的を踏まえて、これまで協同組合からの要請に応じ、要請の目的やその必要性等を十分に勘案しながら、職員退職者の中から適任者を紹介してきたところでありまして、協同組合の判断により当該職員を採用しているところでございます。今後におきましても、公正な市政の執行の確保を前提として、適切に判断してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 現在、紹介した人は、この第5条に抵触するかしないかということについていかがですか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 結論から言いますと、抵触はしておりません。 ◆23番(古市三久君) 5年間に在職していた際従事した職務というのは、これはどういうような職務、例えば建設業協同組合に行くには、どういうような職務だったら抵触するんですか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 基本的に、職務の内容といいますよりも、この協同組合そのものが営利企業ではないということで抵触しないということでございます。 ◆23番(古市三久君) ということは、この規程には全く関係ないところでやられているという認識でいいんですね。 ◎総務部長(猪狩正利君) この規程では、第5条の再就職者の退職後の心得として営利企業ということで明記してございますので、対象外という考えです。 ◆23番(古市三久君) 当該営利企業等という等には該当しないんですか。 ◎総務部長(猪狩正利君) この営利企業等というのは商業、工業、または金融業等を営むことを目的とする会社、その団体でありまして、利潤を得て、これを構成員に分配することを目的とする企業体を指してございますので、対象外だということでございます。 ◆23番(古市三久君) 私はそういう解釈ではないと思うんですが、ただ問題は、この疑いを持たれるようなところに、談合をやっているようなところに市の職員を天下りさせるようなことはやめるべきだと思いますので、そのことを強く申し上げて次の質問にしたいと思います。 大きな質問はコンピュータ・カレッジについてですが、これは9月議会で酒井議員も質問いたしました。コンピュータ・カレッジは、昭和62年の国の緊急経済対策に対応して、労働省が雇用対策として情報処理関連技能者養成施設の設置に関する基本方針に基づいて設置した施設となっています。これまでの卒業者数は927名で、就職率も平均では90%を超えていると、そうなっているんでしょうか。各学年の定数は100名で、平成6年度以降定員割れを続けておって、平成16、17、18年度は2学年で100名を割っているという実態になっています。収入は授業料のみで、1人1年間70万円の授業料。国立大学の五十数万円より高いのではないかというお話もあります。16年間の単年度収支は半数、8年が赤字決算で、平成15年度から3年間続いて赤字になっています。全国の13のカレッジで、平成17年度、赤字は4校で、いわき、信濃川、はりま、中津。受託事業によって収支均衡が6校で、余剰金を計上しているのは3校で、あおもり、周南、いさはやとなっています。過去に廃校が室蘭、延岡の2校で、募集停止は、はりま、信濃川と。そういう意味では、学校経営が非常に困難になっているというのが実態だと思うんです。 そこで、3年間赤字続きの要因についてどのように分析しているのか御見解をいただきたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 平成15年度から平成17年度までの3年間の赤字の主な要因は、入学生の減少に伴う入学金及び授業料の減少であります。入学生減少の理由としては、少子化による高等学校卒業生の減少や進路希望の多様化、さらには市内大学のIT関連学科との競合等が考えられます。 ◆23番(古市三久君) 少子化、市内の大学、進路希望の多様化ということを挙げられましたが、こうした状況を生き抜くといいますか、そういうことを考えないと廃校になると思うんです。安楽死を待つのか、何か方針を打ち出すのかということが迫られていると思うんですが、理事会はこの赤字についてどのように認識をなさっているんですか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわきコンピュータ・カレッジの運営法人であります職業訓練法人いわき情報処理開発財団の理事会は、厳しい決算の状況と今後の収支見通し等を踏まえ,平成17年2月に経営改善3カ年計画を定め、平成17年度以降、当該計画を踏まえ、市内外の高校を訪問しての学校案内の充実や、生徒・企業の幅広いニーズに対応するためのカリキュラムの見直しなど、赤字解消を目的とした経営改善策を盛り込んだ各年度の事業計画を決定しているところであります。 このことから、各理事におかれましては、財団の厳しい経営状況とそれに対する取り組みの必要性については、十分に認識しているものと考えております。 ◆23番(古市三久君) 危機感を持っているということだと思うんです。しかしながら、なかなか人が集まらないというのが実態だと思うんですが、高度な訓練カリキュラムの実施ということが必要だと。あるいは、高度資格取得者の増大といいますか、そういうことが求められているものと思うんですけれども、そういうカリキュラムとか、あるいは高度資格者の増大ということについては、具体的にどのように取り組んでいらっしゃるんですか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) まず1点目のカリキュラムの見直しにつきましては、今年度から、従来の情報ビジネス科と情報システム科の2学科を、時代の要請に合わせまして、プログラマ・ゲームクリエータ養成コース、ウェブデザイン・グラフィッククリエータ養成コース、さらにはシステムアドミニストレータ養成コース、設計エンジニア養成コースと、4つのコースにカリキュラムの見直しを行いました。 さらに、資格といたしましては、国家試験であります情報処理技術者試験の、いわゆる基本情報技術者の合格と、同じく国家試験の技術者試験であります初級システムアドミニストレータの2つの国家資格の取得を目指して、これの合格率が上がりますような訓練、教育を実施しているところでございます。 ◆23番(古市三久君) 授業料の70万円というのは高いんではないかという声もありますけれども、これは全国一律なんですか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 授業料につきましては、全国一律ではございませんが、ほぼ、いわき市の70万円と同等の……。はりまの50万円から、高いところでは74万円というところで、全国一律ではございません。いわき市の場合は年間70万円ということでございます。 ◆23番(古市三久君) いろいろやっているということについてはわかりました。 そこで、校長先生のことなんですが、これまでコンピュータ・カレッジの校長先生は、高校を退職した方がずっとやってきたと思うんですが、この際、経営とか、あるいはIT問題に詳しい人とか、そういう民間人にして、カレッジの改革といいますか、そういうことについても考えていくべきではないかという声もいろいろ聞きます。したがって、その辺についての御見解はいかがでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわきコンピュータ・カレッジの校長には、カレッジの運営に生徒の募集や指導に豊富な経験を生かすことができるということで、これまで高等学校の校長経験者が就任してまいりました。しかしながら、財団の理事の中に、地元IT関連企業の代表者等が就任し、それぞれの立場からカレッジの運営について意見や助言をいただいております。さらに、現在、事務部長には民間企業のOBの方が就任し、企業の経営感覚を業務に生かしております。このように、現在、財団におきましては、教育・IT業界・民間企業経営者のそれぞれの分野に精通した方々の知識・経験を生かした運営を行っているところでございます。 市といたしましては、今後も、カレッジの運営に最もふさわしいと考えられる方に校長に就任していただくのが望ましいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 別に、高校を退職した校長先生が悪いとかいいとかという問題ではなくて、ここに教育長もいらっしゃいますけれども、校長先生というのは、学校の運営ということについてはプロだと思うんです。しかしながら、経営という問題については、そういう意味では若干弱い面もあるのではないかと思うんです。したがって、IT、今非常に日進月歩という中で、新たな技術とかそういうものを身につけていかなければならないこの学校の中で、そういうところに詳しい方、あるいは経営という問題にきちっと精通している方を校長先生にすべきではないかと。全国的にもそういうことをやっているところがありまして、だからといって、経営がうまくいっているかどうかというのはなかなかないようなんですが、しかしながら、いろいろ取り組みといいますか、そういうことを考えていくべきではないかと思いますので、その辺について御意見を申し上げまして、次の質問にしたいと思います。 4番目の問題は介護保険についてですが、制度改正後の実態についてです。 高齢者・国民の生活実態が非常に苦しくなっておりまして、介護保険制度が開始されて5年が経過しました。しかしながら、家族介護がまだ相当残っているのが実態だと思うんです。そして、社会的介護で高齢者を支えるというところには道半ばというのが今の状況ではないでしょうか。 国民年金、国民健康保険の未納者もますますふえています。ことし4月の診療報酬改定、6月の医療保険制度改革関連法の成立で、医療機関も国民も双方大きな影響を受けているわけです。特に、高齢者の医療は負担がふえ、そしてリハビリが制限されたと。こうなっているわけです。高齢者、特に低所得の高齢者は、医療保険、介護保険から放り出されかねない状況が生まれているのではないかと思います。 こうした状況の中で、制度改正から半年が過ぎました。その後の介護保険による高齢者の現状について幾つか質問したいと思います。 その1つは、ことし4月からの利用者数は増加しています。給付費はどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 給付費につきましては、平成17年度の4月から10月請求分の実績が約103億円、平成18年度の同じく4月から10月請求分の実績が約104億円ということで、ほぼ昨年度と同程度の実績になってございます。 ◆23番(古市三久君) 利用者数が増加して、若干ふえていますけれども、給付費が横ばいと、そういう意味では、給付費抑制という目的が達成されていると思うんですけれども、しかしながら、それがいいかどうかということは議論があるところで、そういう意味では非常に利用の制限をしていると。あるいは、施設から退所したというふうな方々が全国的に多数いるわけで、いわき市にもそういう方がいるとは思うんですが、そういう意味では、喜ばしいことでもないという一面があるかと思うんです。その区分支給限度額は、利用率が全国平均で約40%と言われておりますけれども、本市の区分支給限度額に対する利用率、平成17年度、平成18年度ではどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 居宅サービス利用者の区分支給限度額に対する利用率は、平成17年度は年間平均で42.5%、平成18年度は4月から9月までの6カ月間の平均で42.1%であり、ほぼ昨年度と同程度となっております。 ◆23番(古市三久君) 全国的平均とほぼ同じような区分支給限度額の利用率だと思うんですけれども、介護保険給付費は認定によって区分されて、要介護度ごとに区分支給限度額が設定されているわけです。つまり、上限が決められていて、限度額そのものでも必要十分なサービスを受けることができるということではないと私は思っているんです。要介護認定の結果、区分支給限度額までサービスが必要と判定された額、これは100%使えるのが当たり前なんですけれども、現実は非常に低いと。これは、昨年から比べると0.4%減っているわけですが、現実は個人負担がふえて、サービスの利用回数の制限が行われているということが、若干の数字ではありますけれども、実態として出ているのではないかと思います。 そこで、3つ目の質問ですが、施設利用者、特養、老健、介護療養型施設1人当たりの負担額は、昨年と比べてどの程度ふえているのかお尋ねしたいと思います。 ○議長(藁谷利男君) 古市議員に申し上げます。複数質問と認識されます。分割して質問してください。 ◆23番(古市三久君) それでは、利用者の特養の1人当たりの負担額は、昨年と比べてどの程度ふえているのかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 施設サービスの利用者負担額につきましては、在宅サービス利用者との公平性を図ることから、平成17年10月から、食費及び光熱水費にかかる居住費について保険給付の対象外とされたところであります。これに伴いまして、特別養護老人ホーム利用者1人当たり1カ月の自己負担額でございますが、要介護3、個室ではなく多床室利用、そして市民税課税世帯の例で申し上げます。制度改正前が4万7,940円、制度改正後が7万4,400円となっております。 ◆23番(古市三久君) 次に、老健施設ではどうでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 老健施設の場合、制度改正前が5万1,030円、制度改正後が7万7,490円でございます。 ◆23番(古市三久君) 介護療養型施設ではどうでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 介護療養型医療施設の場合、制度改正前が5万8,440円、制度改正後が8万4,900円となってございまして、お答えしました特老、特養、それから老健施設、介護療養型施設、いずれの場合も、自己負担額につきましては、改正前と比べて2万6,460円の増額となっております。 ◆23番(古市三久君) そういう中で、本市では施設から退所した人というのはいらっしゃるんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 施設から退所した方はいらっしゃいますけれども、調査の範囲内では、自己負担額の増加を原因・理由として退所した方はいらっしゃいません。 ◆23番(古市三久君) それでは、次の質問に入りますが、新設された包括支援センターは、保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーを配置して、地域の介護予防、権利擁護、虐待防止など、総合相談援助業務に当たる機関として発足しました。予防プランの作成にも携わっているわけで、この包括支援センターの運営費は一般財源から手当てされているのではなくて、介護給付費から賄われているとなっています。本市の包括支援センターへの介護保険特別会計、つまり、介護給付費からは幾ら支出しているのかお答えいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域包括支援センターの運営経費につきましては、平成18年12月補正後の金額で申しますと、介護保険特別会計における地域支援事業において、総合相談業務や特定高齢者に係る介護予防事業を行う職員の人件費、そして事務費をあわせまして2億2,335万9,000円となっております。なお、このほか市が介護予防プランを作成する事業者として業務を行う経費としまして人件費、事務費あわせまして1億5,837万3,000円を計上しておりまして、一般会計で計上している分と先ほどの介護特会で計上している分を合わせますと合計で3億8,173万2,000円となっております。 ◆23番(古市三久君) 次に、包括支援センターの業務量なんですが、これは、現在の時点でも今後も運営可能なのかどうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域包括支援センターにつきましては、現在も職員を募集している状況で、何とか実施しているということで、現在の職員体制のままでは将来は運営は難しいと思っています。なお、現在募集をかけていますのは14名分です。現在48人いるんですけれども、それでは足りないということで14名分の募集をかけているところでございます。 ◆23番(古市三久君) 人員を確保するということになっていますけれども、どの職種が一番必要なのか、どの職種を募集しているのか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) どの職種も不足はしておりますが、保健師が基本となるわけですけれども、この保健師という職種は、現在までのところ市で専門に採用していたわけで、それは介護保険のための雇用ということではございませんでしたので、ここが一番不足すると思っております。 ◆23番(古市三久君) 全国の包括支援センターでも保健師が非常に不足しているということが言われておりまして、こういうことが手当てできるのかよくわかりませんけれども、人員を確保して運営に問題のないようにしていただきたいと思うんです。 それから、介護予防プランの作成なんですが、これは現在どれぐらいの件数があるんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) すみません、今ちょっと手元に数字がございませんので、至急調べてお答えいたします。 ◆23番(古市三久君) 先ほどの答弁で、委託についても考えているようなお話がございましたが、現状として、包括支援センターは委託可能な実態にあるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 今運営している状況は直営でございますが、それは、民間だけで、特に保健師等の人的スタッフを確保することが困難ということで実施していました。市の職員が入っているわけですけれども、これを、例えば委託先のNPO法人等に派遣するという形で実施すれば可能という具合に考えております。 ◆23番(古市三久君) その場合は、現在の費用から比べると、費用が減るのか、それとも現状と同じなのか、その辺はいかがですか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) ほぼ現状どおりかと思っております。それと、包括支援センターにかかる経費は、給付費の中の一定割合が決まってございまして、それを越えることができないわけでございまして、その規制の中で実施していくということでございますので、さほど変わらず実施できるものと考えております。 ◆23番(古市三久君) 介護プランの作成については、後で答弁してもらっても結構なんですが、この地域包括支援センターというのは、地域住民の心身の健康の保持とか、生活の安定のために必要な援助を行うこととなっています。その保健医療の向上、福祉の増進を包括的に援助するということが目的になっているわけです。 介護保険は、要介護になったときの備えとして機能すべき問題であって、予防や保健のためのものではないという指摘をなさっている方もいるわけです。老人保健法の第1条に、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施するということになっているわけで、予防や保健の精神がそこにあると思うんです。 したがって、そちらでやるべき仕事だと私は思っているんです。だから、介護保険の給付費の中から支出するというのはいかがなものかと思うんですが、そういう中で、このサービス給付費を抑制して他の用途に回して、給付がふえて保険料がアップすると、そういうことになってはいけないと私は思うんですが、保健福祉部長のその辺の御見解はいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) すみませんでした。まず、介護予防プランの件数ですが、平成18年4月から9月までで1,381件でございます。 それから、介護保険で予防まで見るのはどうかという御意見がございました。これは、制度当初から予防給付というものはあったわけですけれども、制度当初の場合はほんのごく一部。今回の改正で予防重視ということでふえたわけでございますが、財源を考えますと、この予防の分を一般行政でやるのか、それとも介護保険の保険料を投入してやるのか。あるいは、はたまた自己責任で自費だけでやるのかという論議はございます。介護保険でやるというふうになった要因といいますのは、特に財政面で、予防に力を入れれば介護給付費は減るということで、結局は被保険者のためになるかどうかということで総体的に判断されたものだと考えております。 ◆23番(古市三久君) 私はそういうことではなくて、老人保健法もあるので、そういうところできちっとやるべきだと思うんですが、そこで、この1,381件というのは、包括支援センターの業務のどのくらいの割合なのか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 20%から30%の割合になっていると思います。 ◆23番(古市三久君) 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 恐れ入りますが、補足答弁をさせていただきます。先ほどの病院事業についてのお尋ねのうち、新規採用の看護師に係ります研修期間中に係る夜勤の回数についてのお尋ねがございましたが、当該研修期間中の夜勤は5月から6月までの期間内で合計2回となってございます。 ◆23番(古市三久君) それでは、どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後3時50分まで休憩いたします。            午後3時41分 休憩           ------------            午後3時50分 開議 △渡辺博之君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、本日の会議時間は議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 10番渡辺博之君。          〔10番渡辺博之君第二演壇に登壇〕 ◆10番(渡辺博之君) (拍手)10番日本共産党の渡辺博之です。 最初の質問は保育所についてです。 まず、私立保育所に対する運営費補助の削減についてです。 市は、これまでの不要不急の大型事業、国の三位一体改革の影響によって非常に厳しい財政運営を強いられるようになりました。そこで、第5次行財政改革行動計画を策定し、補助金を大幅に削減するなどの見直し計画案を策定し、社会福祉法人立保育所補助金、すなわち私立保育所への運営費補助金を10%以上削減するとしたわけであります。 そこで、まず伺いますけれども、この補助金の目的はどういうことであったのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 私立保育所の運営費補助金につきましては、保育所の健全な運営と児童福祉の増進を図ることを目的としております。 ◆10番(渡辺博之君) 児童福祉の増進、健全な運営を目的としたということでありますけれども、補助金はよりよい保育を行うのにこれまで役に立ってきたと考えているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) そう考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 世界最大のシンクタンクと呼ばれている経済協力開発機構の報告書でも、保育の質の確保のためには、まず国や自治体がお金を出すことであるとしております。このことからも、この補助事業は保育の質を高める効果があり、保育の質を最も大きく左右する保育士の処遇をよくすることにも役立ってきたものと私も思います。 私立保育所への補助金の削減は直ちに経営を困難にするものでないとしても、質の低下につながる可能性が大きく、すべきでないと思います。むしろふやすべきものであり、県に対しても独自の支援を求めるべきだと思います。また、障がい児保育についても、私立保育所でも十分に行えるよう、保育士に対する補助、研修に対する補助などを充実させていくべきだと思います。 そこで、次は、公立保育所の民営化と保育の質についての質問に移らせていただきます。 公立保育所の民営化の目的も経費の削減であり、保育の質を低下させる可能性があることをこれまでの議会で指摘してまいりました。ところが、当局は、民営化で保育の質は低下させないとしてまいりました。そして、保護者には公立も私立も保育の質に差がないと説明してきていると聞いておりますけれども、差がないとする根拠はどういったところにあるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 公立保育所も私立保育所も認可を受けた児童福祉施設として、法に定められた保育サービスを提供する施設であり、保育の実施に当たっての職員配置や設備基準は当時の厚生労働省令に基づいた同じ基準であるほか、保育内容についても国が示す同じ保育指針に沿った内容となっていることから、基本的には保育の質に差がないものと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 同じ認可を受けているということ、また、保育指針などによってやってきたということでありました。ところが、保育指針というものは、保育内容を一層充実させるために厚生省が作成した参考資料であるとも言われています。そして、保育所に対して指導するよう自治体に依頼したものです。厚生労働省の保育課の担当者に問い合わせたところ、保育指針に基づき保育をしているからといって、保育の質が同じになるということにはならない。質の向上のために努力した保育所は質が高まり、そうでない保育所は余り質が高まらないであろうから、保育の質に差が出るでしょうと言っていたわけであります。 当局の考えは、この厚生労働省の考え方と同じでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 質の問題でございますが、これはどういう分野に限っていうかという、具体的に対象を決めて、例えば保育士の質であるとか、設備の質であるとか、園庭の面積とかいろいろな具体的なものによって大分変わってくると思います。それらを全部含めて保育の質ということになりますと、どうしてもかなり主観的な内容が入ってくると思います。 ですから、質の問題といいましても、考えようによっては公立の保育所間でも差があるかもしれない。私立の保育所の間でも差があるかもしれないということで、一概に公立と私立を比較して、どちらがどうこうというのはなかなか難しい問題なのではないかと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 私は今、公立と私立を比較してということではないんです。部長がおっしゃったのは、認可された保育所は質に差がないという答弁でありましたから、主観的なものでわかりにくいということであれば、質に差がないということさえちゃんと言えないのではないかと思うわけです。 それで、一つ具体的な例を出したいわけでありますけれども、例えば、指針には職員の研修の必要性も記されているわけです。研修の回数は保育所によって大きな差があることは、前の議会で私が質問したとおりでありました。つまり、実際に指針に書いてあることに対して、その取り組み状況に差があるということです。具体的にこういうふうに考えてみても、やはり質に差がないという根拠は崩れていくのではないかと思うわけであります。そもそも、保育の質に差がないと言うのには、質のレベルを調査することが必要です。部長は、主観的になってしまうという言い方をしましたけれども、主観的にならないように、実際に研究者がやった事例などもあるわけであります。 伺いますけれども、市としては、すべての保育所の質のレベルを調査して差がないと言っているのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育内容とか設備とか、そういう細かい基準でやっているものは中にはあると思います。ここについてはどうなっているんだろうというふうな調査はしております。ただ、そういったことすべてを含めた質ということで、それを数値化して調査をするということはやってございません。 ◆10番(渡辺博之君) そうしますとやはり、保育の質に差がないということはとても言えないことだと思います。これまでの当局の話を伺っておりますと、最も重要な保育の質について、余りにも乱暴な議論をしているように感じてしまいます。 保育の質というと、抽象的・主観的だとおっしゃいましたけれども、具体的に少し触れたいと思います。デンマークの例ですけれども、ティッセンという研究者は、保育士と子供の関係から保育の質を分析しております。 例えば、子供が何かをつくって遊んでいるときに、保育士が、子供が何をつくろうとしているのか、どんなおもしろいことをしようとしているのかなと、子供の活動に興味を持っている場合には、子供たちは互いに相手の話を聞いて、そして、ほかの子供たちからの助言を受け入れようとする。つまり、子供たちは意見が違ったり、トラブルが起きてもきっとわかり合えるはずだという気持ちで友達とかかわっていくと、このように述べております。 そして一方、子供たちが何かをしているときに、保育士が、散らかしたりむだ遣いをしないかなと秩序の維持に注意を向けている場合には、子供たちはほかの子供たちからの提案にほとんど関心を示さず、逆に自分の考えを押し通そうとし、ほかの子供たちを排除しようとする傾向がある。つまり、子供たちは強い者の指示に従ったりするような状況になるとしているわけです。この方は、経験のあるプロの保育士の目を借りて、このような実態を数値化してやったわけであります。さらに、同じようにプロの目を借りて集中度合いを数値的に測ったという事例もあります。 ともかく、質のよい保育を受けた子供たちは、生涯にわたって学習意欲が高いだけではなく、よい人間関係をつくると言われておりますけれども、それは先ほど私が言いましたように、自分に共感してもらってきたからこそ、それが身についていくとも言われているわけです。 保育士が子供に共感していくには、まず保育士の時間的なゆとり、精神的なゆとり、経験や研修などが必要なのは言うまでもありません。だからこそ、質を高めるために、保育士の勤続年数や研修頻度、国や自治体の予算確保が必要であるとされているわけです。私立保育所の運営費に対する補助も、保育指針を実効性あるものにし、質を高めるためになされたものであります。 この補助金を削減していくことで、保育の質を維持していくのが困難になるかと思うわけでありますが、市長はこのことについてどのようにお考えになっているでしょうか。 ◎市長(櫛田一男君) 補助金の削減についてはまだ決定しておりませんけれども、保育所の質の問題でありますから、これは、今、部長の答弁にありましたけれども、どの部分をもって質が高いのか、トータルで推しはかっていかなければいけない部分も多く含まれていると思いますが、質の確保につきましては、公立とか民間とかにかかわらず、両方ともそのレベルを超えた人たちが教えているわけだし、強いて違うとすれば、そこに情熱が加わっていくという個々の部分だろうと思います。子供に対する、健全に育てていくんだという、この情熱が違いを生むものと思っておりますので、これからもその部分について意を尽くしてまいりたいと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 保育の質というのは、もちろん情熱も必要ですけれども、情熱だけでは高まるものでないのではないかと思います。ぜひとも、私立保育所に対する経費を削減しないよう、計画の段階ですので、ここを強く求めまして、次に行きます。 公立保育所の民営化も経費の削減が目的です。そしてさらに、私立保育所に対しても公的支援を減らそうという計画の案が出ているわけです。これは、保育に対する市の責任を放棄するもので、私は決して容認できないということを、まず申し上げておきます。 そして、次の質問に移りますけれども、公立保育所の民営化に対する保護者などの意見についての質問に移ります。 民営化について、保護者への説明会が8月から行われています。まず伺いますが、説明会などで保護者からはどのような意見があったのでしょうか。
    ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成21年度から民営化を実施予定としている4カ所の保育所につきましては、本年8月以降、随時、説明会を実施しておりますが、各保育所とも初めての説明会であったため、保護者の皆さまからは、民営化に伴って、保育料が変わるのか、どのような法人に移譲するのか、給食はどうなるのかなどの御質問が大半を占めましたが、私立保育所の保育内容を知りたい、公立と私立のよいところを引き継いでもらいたいなどの御意見も寄せられたところであります。 ◆10番(渡辺博之君) 反対であるという意見はなかったのですか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 反対という意見もございます。ありましたのは、反対、賛成というよりも、なぜ反対かということをお聞きした中で、延長保育であるとか乳児保育とか、そういった質問にお答えする中で反対だという御意見はございました。 ◆10番(渡辺博之君) 民営化もいいという意見もあったのかとは思いますけれども、それに対する不安、反対の意見もあったということであります。 では、その反対である人、あるいは疑問視する人に対して、今後どのように対応していこうと考えているのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 反対であるという方につきましては、具体的にどの点について反対なのだという事情をお聞きいたしまして、その点について、もし誤解があれば誤解がないように説明していきたい。といいますのも、公立にいらっしゃる皆さん方は、私立を経験した方がほとんどいらっしゃらないわけで、わからない中での反応ということで考えています。しかし、いずれにしろ、今後、可能な限り多くの保護者の皆さまから御理解をいただくべく努力してまいりたいと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 大半の人がわからない中での反対の意見であると、そういう話であったわけでありますが、私が聞いた保護者の声を幾つか紹介したいと思います。 ある方はこのように話してくれました。お遊戯会で障がいを持った子供の車いすを押す子供を見て、最初は舞台から落ちるのではないかとはらはらして見ていた。でも、慣れた手つきなのでふだんからやっているのだなと思った。子供がお互いに思いやる姿を見て涙が出た。このようなことができるのは、いざというときにすぐに対応できる、経験を積んだ保育士さんがいるからだと思った。このように話してくれました。また、ある方は、公立保育所なら安心だと思って近くに家を求めたんだと言っていました。 また、一方、民営化した方がいいという方であっても、民営化すれば、延長保育やゼロ歳児保育をしてもらえるからという理由が、私が聞いたところでは多かったと思います。 ところが、この延長保育やゼロ歳児保育というのは、市の労働組合の要求にもあります。ですから、公立保育所で実施すれば、この方の問題は解決するわけです。また、この方も民営化には非常に不満を持っているというのが私の聞いたところであります。 また、ある方はこのように話してくれました。公立保育所の民営化は単に保育所だけの問題ではない。市が子育てに対する予算を削減することだ。いわき市は子供を育てにくいところになっていくので、これ以上子供を生むのはやめようかと思ってしまうと言っていたわけであります。この方は、私立保育所への補助金削減の話をこのときまだ知らなかったわけでありまして、このこともあわせて考えると、もっとショックを受けました。 子供を育てにくいいわき市が、さらにリアルになってきたようであります。財政再建団体になる夕張市では、行政サービスが全国最低になるそうです。暮らしにくいところには住めないと、人口流出が続いております。先ほど紹介した話も、いわき市でも夕張市のようなことが起こりかねないということを裏づけているのではないかと思います。 また、保護者全員が民営化について反対の意思を示した保育所もあると、私は保護者会の方から伺っているわけであります。これほど不安の声や反対の声が出ているにもかかわらず、反対しているのは十分に理解していないからだと考えてしまうのは、つまり、市が言っていることは正しくて、保護者の心配は的外れであると、保護者はいたずらに不安がっているだけだと考えているからなのでしょうか。市民の声に耳を傾ける姿勢が足りないのではないかと感じてしまうのですけれども、その点はどのように考えているでしょうか。 ◎市長(櫛田一男君) 質問の内容をお聞きいたしておりましたら、民間はよくない、公立はいいんだという大前提のもとでの質問かと思いますが、これと夕張市の住みにくい話と連動させることはいかがかと思って聞いておりましたが、今、民間をそんなに低く見る必要はないんではないかと思っております。民間も、一生懸命勉強をしてレベルを上げないと、民間そのものが、経営が成り立たない状況が続くわけでありますので、民間の努力というものにもう少し敬意を払っていただければと思っています。 ◆10番(渡辺博之君) 私は、今、質問の中で、民間が悪いというようなことは一言も言っていません。保育の質の条件であるお金を削減することが、いわき市全体の保育の質を下げるのではないかと。そして、質問の中身に答えていただけなかったんですけれども、市民の声に耳を傾ける姿勢、これに対してはお答えにならなかった。つまり、私としては余り考えていないのではないかと受け取ってしまうところであります。 そこで、伺いたいわけでありますけれども、先ほど、すべての保護者が反対であるということを紹介したわけでありますが、そういった場合には民営化というのはどのようにしていくのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) やはり賛成、反対というのは、その理由が大切だと思うんです。何のために、どこの部分が反対なのかという部分は説明させていただくということで、その後につきましては、先ほどお答えしましたとおり、可能な限り多くの方々から御理解をいただくという方針で努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 今、保護者から不安や反対の声がたくさん出ているわけでありますが、市が民営化の方針を出すに当たって、保護者の声などをどれくらい聞いたかが改めて問われるのではないかと思います。 当局は、保護者の声、市民の声を社会福祉審議会で聞いたとしております。しかし、社会福祉審議会では、民営化について反対の声や疑問視する声などがなかったわけです。これほど大きな問題について、なかったというのもなぜなのかと思ってしまうわけであります。例えば、幼児教育振興審議会では、幼稚園に行った児童の保護者だけではなく、保育所に行った児童の保護者、家庭保育の保護者などに対しても審議会の中でアンケートをとっているわけです。 伺いますけれども、社会福祉審議会では、民営化についてアンケートなどで保護者から意見を聞いていったのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市社会福祉審議会の審議に当たっては、保護者会の代表者に委員として参加いただいておりますが、関係する保護者の皆さまからの御意見については、現在、説明会を開催する中で聴取しているところであり、今後は、さらに地域の皆さまの御意見も聴取してまいりたいと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) 既に民営化の方針を市として決めてしまったわけですから、方針を決めるに当たって、やはり保護者、地域の意見をほとんど聞いていなかったと言わざるを得ないと思います。 私は、ある保護者から、市は民営化すると決定して、それを押しつけようとしているように感じるという声を聞きました。これは、民営化の方針を決定するのに、十分に保護者の意見を聞かずに、説明すれば保護者の納得は得られるとして民営化を推し進めようとする市の姿勢を批判しているのではないかと思うわけであります。民営化の方針そのものを白紙撤回して、改めて市民の声を聞くべきであると思います。このことを求めまして次の質問に移らせていただきたいと思います。 次は、障害者自立支援法についての質問です。 昨年9月、障がい者団体の大きな反対を押し切って、障害者自立支援法が特別国会で成立しました。この制度の最大の問題点は、障がい者が生活のために受ける支援をサービスとして、障がい者に利用料を負担させたことです。それまでの所得に応じた負担をサービスの利用に応じた負担に切り替えたため、障がいが重い人ほど負担が重いことになってしまいました。10月からは、施設の移行、地域生活支援事業などの開始、補装具の1割負担など本格的に実施されるようになり、改めてその問題点が浮き彫りになってきました。 そうした中、全国市長会は、11月16日に国の施策及び予算に関する要望の中で、障害者自立支援法について要望しています。この中で、最も根本的な問題である利用者の負担金については、どのように要望しているのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 全国市長会では、利用者負担金を軽減するため、自立支援給付と地域生活支援事業の負担上限月額を一体的なものとして設定するなど、実態に即した低所得者対策の見直しを行うことを、去る11月に国に要望しているところであります。 ◆10番(渡辺博之君) つまり、いわき市長も会員となっている全国市長会では、低所得者の負担金は重く、制度は実態に即していないので、負担を減らしてほしいと要望したということでありました。 6月議会では低所得者に過大な負担になっていないという答弁があったわけでありますが、いわき市においては、低所得者の負担は重くないと、制度は実態に即していると考えているわけでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 利用者負担額については、国において、利用者本人の属する世帯の課税状況などに応じた負担額の段階的な上限設定や、低所得者に対するさまざまな軽減制度により、過大な負担とならないような措置が講じられておりますが、さらなる負担軽減措置を講じるべく、東北市長会並びに全国市長会を通じて国に要望しているところであります。 ◆10番(渡辺博之君) では伺いますけれども、政令指定都市や中核市で、独自に減免、免除を行い、利用者の負担を軽減している自治体は幾つあるでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 政令指定都市15市のうち、本年10月現在で独自の減額、免除を実施しているのは6市であり、中核市37市のうちでは16市であります。 ◆10番(渡辺博之君) 相当数の自治体が、独自の軽減策を行うようになってきているということであります。 それは、具体的にどのような方法で行っているのでしょうか。幾つか具体例を挙げてください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 減額措置を行っている中核市16市のうち、主な措置としましては、新潟市では、国のさまざまな減額措置適用後の最終利用者負担額を、市で2割軽減するというふうな方法でございます。豊橋市では、市民税非課税世帯であり、本人の収入が80万円以下である低所得1の負担上限月額を、1万5,000円から8,000円に軽減しております。 ◆10番(渡辺博之君) 自治体の中には、障害者の負担は重過ぎるとして、国に改善の要求をするだけでなく、独自に改善策を積極的に行っている自治体があるということであります。 9月議会では溝口議員が障がい者の利用料金の負担軽減を求めました。これに対して答弁は、障がい者の負担がふえたことで、利用を抑制したり、利用回数を減らしたりしていないか十分に調査し、検討しながら対応策を考えていくという答弁があったわけであります。 伺いますけれども、その後、調査は行っているのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) サービス利用にかかる調査につきましては、毎月の利用人数や利用時間等のデータを集積・検証し、常に最新時点での利用状況の実態把握に努めているところであります。 ◆10番(渡辺博之君) 市全体の利用状況を調べているだけで、障害者の具体的な実態は調査していないということだったと思います。 ここで、いわき地区障害者福祉連絡協議会が10月から11月にかけて行ったアンケートを紹介いたします。アンケートでは、自立支援法が始まり、サービスを減らしましたかという設問があります。回答者のうち、利用しているサービスをすべてやめた、減らしたと回答したのを合わせると37%になり、多くの方がサービスの利用を減らしたものと思われます。また、日常生活にどのような影響が出たかという質問では、外出を減らした、預金を削った、自分のために使うお金を減らした、家族からの援助を新たに求めたなどと、影響が出た人が82%で、ほとんどの人が日常生活に影響が出たと回答しているわけであります。 ここで、日常生活に影響が出た人の割合が82%に対して、サービスを減らした人の割合が37%、この差が非常に大きいことにも注目する必要があると思うわけであります。これは、生活を切り詰めたり、家族からの援助をふやしても、必要なサービスは続けているということを意味しているからであります。つまり、利用時間などが余り減少していない場合であっても、大きな影響が出ているということであり、サービスの利用状況だけを見たのでは、障がい者の実態は見えにくいということであります。 先ほど部長は、全市的な利用状況を調べているということでありますが、それでは、やはり障がい者の実態は見えてないということが、このアンケートから読み取れるのではないかと思うわけです。 次に、利用者の声を幾つか紹介したいと思います。ある方はこのように書いています。通所に通い、グループホームに入っていましたが、3月に自宅に帰りました。グループホームにかかるお金、通所の負担金、ヘルパーさんへの負担金、年金ではとてもやっていけませんと、負担が重過ぎると訴えています。また、ある方はこのように言っております。今は親と一緒に生活しているけれども、これから先、一人で生活するとなると、今のお給料や年金で生活することができないと、将来の不安を訴えているわけであります。 私は、いわき市も独自に利用者の負担の軽減を行っていくべきだと思うわけです。そして、それに先立って、まず利用者の実態把握が必要であると思います。早急に調査すべきと思いますが、この調査はいつごろ始めるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 障がい者サービスに関しての実態把握等は、個々のケースに応じて、地区保健福祉センターの職員が実施しているものであります。その状況をもう一度検証させていただきますが、それに応じて対応を検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(渡辺博之君) センターに来た人に対して個別に聞く努力は当然でありますけれども、トータル的なものとしてきちんと把握する必要もあると思うんです。繰り返しますけれども、部長自身も、9月議会で、利用を抑制したり、利用回数を減らしていないか調査するとおっしゃったわけでありますから、きちんとこれをぜひやっていただきたいと思います。 では、次の質問。事業所の運営についてに移ります。 障害者自立支援法によってサービスなどの報酬単価が引き下げられました。ある施設では、居宅介護サービス事業では、収入が200万円から170万円に減ったという話も聞きました。児童デイサービスや知的デイサービスも大幅に減少していると聞きます。また、通所施設への報酬支払い方法が、月払い方式から日払い方式に変わりました。障がい者は、体調が悪くなり休むことも多いので、収入が3割も減少しているという話も聞きます。施設などの経営が不安定になることは、障がい者へのサービス低下などにもつながりかねません。 このような状況から、全国市長会は、国の施策及び予算に関する要望、その中の障害者自立支援法についてで改善を求めているところであります。 事業者の運営については、どのように要望しているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 全国市長会では、事業者による安定的な事業運営やサービス提供が可能となるよう、実態を踏まえた適切な単価設定を行うなど、必要な見直しを行うことを国に要望しているところであります。 ◆10番(渡辺博之君) つまり、現状では不適切な単価であり、実態を踏まえた適切な単価に変えてくれるようにと要望したとのことでありました。 6月議会で、高橋議員が、施設の収入が減るので市独自の運営費の援助を求めました。このときの部長の答弁では、各施設で安定的な施設運営が行われるようアドバイスや調整をしていくと答弁があったわけであります。適切なアドバイスには、実態の把握はやはり欠かせません。 いわき市内の事業者の運営状況がどのようになっているか把握しているのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 運営の状況等については、施設に応じて実施しているというか把握しております。 ◆10番(渡辺博之君) 事業所の運営状況、個々の実態について、早急にぜひ把握していただきたいと思っています。 小規模作業所では特に経営が厳しくなったところがあると聞いております。必要に応じて支援を急ぐべきです。また、制度が変わったことによって、グループホーム利用者はデイサービスを受けられなくなったという問題も出ています。また、知的障がい者や精神障がい者の障害程度区分が、実態を反映するものになっていないのではないかという問題もあります。知的障がい者の判定区分を、全国的に行った厚生労働省の調査では、区分4以上の人が53%であるのに対して、判定がほぼ終わっている11月24日現在のいわき市では28%です。施設の方に聞くと、なぜこの人がこれほど判定が低いのか納得できないという場合もあると言います。 このような実態があるわけですから、まずはやはり障がい者の実態、事業所の実態をきちんと把握し、国に改善を求めるべきところは求めながら、同時に市でも、独自の対策を講じることを重ねて要求します。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)        ------------------ △延会 ○議長(藁谷利男君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 明日は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて延会いたします。            午後4時29分 延会           ------------...